
(出所:123RF)
ネットワンシステムズや日鉄ソリューションズなど少なくとも9社が関与する循環取引が発覚した。期間は4年以上にわたり、実在性に疑義のある取引の売り上げは合計1000億円超に達する。2000年代に頻発した循環取引はなぜまた繰り返されたのか。徹底取材で全容を明らかにするとともに、「闇」の再発防止に向けた取り組みを考察する。
ネットワンシステムズや日鉄ソリューションズなど少なくとも9社が関与する循環取引が発覚した。期間は4年以上にわたり、実在性に疑義のある取引の売り上げは合計1000億円超に達する。2000年代に頻発した循環取引はなぜまた繰り返されたのか。徹底取材で全容を明らかにするとともに、「闇」の再発防止に向けた取り組みを考察する。
ネットワンシステムズは2020年3月12日夜、循環取引に関する特別調査委員会の最終報告書を公表した。今後は不正取引を防ぐため、ネットワンが付加価値を提供せずに取引を仲介するだけの案件を原則として手掛けないなどの再発防止策を盛り込んだ。
IT業界の人々は何度も懲りずに架空取引や循環取引に手を染めてきた。企業は「巻き込まれた」と被害者の立場を装うが、それは言い逃れにすぎない。IT企業が当事者意識を持ち、不正根絶に臨むべきだ。問題点と具体策を専門家に聞いた。
ITベンダーによる不正会計は2000年代後半にも相次ぎ発覚した。中には経営破綻したり経営者が逮捕されたりした企業もあった。繰り返される背景にはIT業界の構造的な問題がある。
ネットワンシステムズや日鉄ソリューションズ、東芝ITサービスをはじめ、少なくとも9社が循環取引に関与していたことが明らかとなった。首謀者はIT業界で一般的な「直送」と呼ばれる仕組みを悪用。中央省庁を最終顧客とした商流取引をでっち上げ、案件をすり替えながら循環を繰り返していた。
IT業界で何度も繰り返されてきた「悪癖」が再び顔を見せた。ネットワンシステムズや東芝子会社など少なくとも9社が絡んだ循環取引が発生。各社の売り上げの水増し額を合計すると1000億円超に達する。