パソコンを選ぶときは、CPUの型番やストレージの種類、メモリー容量といった基本スペックとともに、キーボードにも注目したい。データを入力したりショートカットを実行したりする際に使うキーボードは、パソコンでよく使う部分の一つ。自分に合ったキーボードを選べるかどうかは、パソコンの使い勝手や作業効率を大きく左右する。
本特集では、キーボードの選び方、使い方を解説する。またキーボードと同様に文字入力に不可欠な日本語入力ソフトの活用法も紹介していく。今回はノートパソコンが搭載するキーボードの評価ポイントを見ていく。
基本は「OADG 109Aキーボード」だが一部を変えている
ノートパソコンは、デスクトップパソコンのようにキーボードを簡単に交換できない。使い始めてからキーボードに不満を持つようになっても、そのキーボードを使い続けなければならないのだ。
高価なノートパソコンを購入してからキーボードの不満に気づくといった事態にならぬよう、パソコンの購入前にキーボードのキー配列やキーピッチ、キーストローク、キーボードとタッチパッドの配置などを必ず確認しておきたい。
現在、日本で販売されているWindowsパソコンのキー配列は「OADG 109Aキーボード」に準拠している。その元となった「JIS配列」の名で呼ばれることもある。
OADG 109Aキーボードは、上方の左端から並んだQ/W/E/R/T/Yキーを指す「QWERTY(クワーティー)」と呼ぶタイプライター時代から使われている文字配置に、日本語の入力に必要なキーを追加した配列である。
109という数値はキーの数を表す。当初は106キーだったが、左右の「Windows」キーや「アプリケーション」キーなど3つが追加されて「OADG 109キーボード」となった。その後に登場したWindowsから直接入力できない一部キーの刻印を削除した配列を「OADG 109Aキーボード」と呼ぶ。
ノートパソコンはキーを配列するスペースが限られており、デスクトップパソコンのOADG 109Aキーボードと同じ配置を持つ製品はほとんどない。限られたスペース内にキーを配列するために、キーの位置を大きく変えたり、使わないキーを省いたりしている。キーの幅を狭めてスペースを確保していることもある。