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総合技術監理部門の口頭試験で頻出するのが、利害関係などが相反する「トレードオフ」を解決した経験への質問だ。5つの管理技術を把握し、それぞれの視点から総合的に問題を処理したとアピールしよう。毎年発行されるキーワード集を使った対策も有効だ。(日経コンストラクション)

 総合技術監理部門の口頭試験では、必須科目に対応する試問事項として「体系的専門知識」と「経歴および応用能力」が問われる(図1)。既に建設部門などの技術士の資格を持っている場合は選択科目の試問を免除されるため、受験者の多くは、この2項目の対策を講じればよい。

図1■ 総合技術監理部門の口頭試験の内容
図1■ 総合技術監理部門の口頭試験の内容
建設部門の技術士の資格などを保有して選択科目を免除される場合は、必須科目に対応する事項のみ試問される(資料:日本技術士会)
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 体系的専門知識は、受験申込時に提出した受験者の経歴に基づいて確認される。経歴および応用能力は、同じく受験申込時の「業務内容の詳細」や筆記試験の答案の内容から試問される。

 体系的専門知識に関する出題で頻出するのが、相反する関係(トレードオフ)をうまく収めた方法や、失敗例とその解決策に関する質問だ。総合技術監理部門の受験者は、業務において利害関係などが絡んだ様々なトレードオフの問題を解決した経験も多いだろう。その具体策を問われる。

5つの管理技術の視点で解答

 解答の評価軸となるのが、「経済性管理(品質、コストおよび生産性)」「人的資源管理」「情報管理」「安全管理」「社会環境管理」の5つの管理技術だ(図2)。これらの技術を用いて、どのようにトレードオフの問題を解決したかを説明する。

図2■ 5つの管理技術と建設部門の総合技術監理に必要なポイント
図2■ 5つの管理技術と建設部門の総合技術監理に必要なポイント
文部科学省の資料などを基に作成
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 なお、試問では「安全管理について質問します」といったように、管理技術について直接的に問われるわけではないので注意する。

 例えば、受験者の業務経験に関して、「○×工法を採用して工期短縮した点について、どう考えますか」という質問を受けたとする。この場合、まずは試験官が5つの管理技術のうち、どの項目に関して質問しているのかを判断する。経済性管理に関する質問だと見なしたら、次は、「工程管理」「品質管理」「原価」などに細分化して、それぞれの視点で返答できるようにしておく。

 トレードオフに関する質問では、安全性と経済性、工程管理と品質確保といった相反する項目への対処方法や妥協策を求められる。受験者は、高い見識はもちろん、利害関係者との接触や調整などのコミュニケーションによって問題を解決する「トータルバランス」を持っていると示す必要がある。

 ただし、背伸びをすると足をすくわれる。例えば、「工期を優先して高コストの工法を採用する際に、所属会社から利益を優先するよう求められたらどうするか」といった質問は要注意だ。「工期厳守と利益確保を両立します」と言えば聞こえは良いが、それは不可能だとすぐに見破られてしまう。

 望ましいのは、「その発注者から受注したのは初めてだったので、コスト増によって多少の赤字が生じても、次の受注につなげるための先行投資になると会社を説得した」といった解答だ。実際に業務で取り組んでいる内容で答えよう。