全3823文字
PR

 選択科目IIIでは、自分の専門分野に関する多面的な課題や解決策を提示する必要がある。出題テーマの基となる最新の国土交通政策を押さえることが重要だ。国土交通省の審議会の資料から政策のトレンドをつかむ方法を紹介する。過去1年程度に公表された受験者必読の資料も整理した。(日経コンストラクション)

1.選択科目IIIの試験内容

 選択科目IIIは、2020年度の技術士第二次試験の受験案内にあるように、受験者が選択した科目に関する「問題解決能力および課題遂行能力」を問うものである。試験時間は選択科目IIと合わせて3時間30分で、答案用紙3枚に記述する。配点は30点と選択科目の中で最も高く、II−1とII−2の合計に等しい(図1)。

図1■ 技術士第二次試験の出題内容
図1■ 技術士第二次試験の出題内容
総合技術監理部門を除く技術部門。選択科目の試験中に休憩時間はなし(資料:日本技術士会)
[画像のクリックで拡大表示]

 選択科目IIIでは、受験者が選択した科目ごとに、その分野の課題がテーマとして出題される(図2)。まずは実際の出題例を見てみよう。図3に、19年度の「土質基礎」の問題文を示す。小問(1)~(3)は、全ての技術部門と選択科目で同じであった。

図2■ 選択科目IIIの「問題解決能力および課題遂行能力」に関する概念や出題内容
図2■ 選択科目IIIの「問題解決能力および課題遂行能力」に関する概念や出題内容
(資料:日本技術士会)
[画像のクリックで拡大表示]
図3■ 19年度の選択科目IIIの出題例
図3■ 19年度の選択科目IIIの出題例
[画像のクリックで拡大表示]

 小問の内容は次の通りだ。(1)で多面的な課題を抽出・分析させる。(2)で最も重要な課題を選択して解決策を提示するよう求める。(3)では、記述した解決策に共通して発生する新たなリスクと、その対策を書かせる。

 まず(1)の「多面的な観点からの課題抽出と分析」では、3つの課題を記述する必要がある。2つでは多面的と言い難いからだ。分析するには、抽出した内容が課題となる理由を示せばよい。背景と現状の記述で説明できる。

 次に(2)で、(1)の解答から最も重要な課題を1つ選択する。主観を排除したうえで、出題テーマに対して最もふさわしい解決策を書ける課題を選ぶべきである。解決策は、なるべく最新の国土交通政策を基に記述する。普遍的な解決策で解答できる場合でも、新しい施策を提示する。ここが答案の中心となるので、しっかりとした準備が必要だ。

 最後の(3)「解決策に共通して新たに生じうるリスク」の出題には、重要な課題の解決に伴って新たに発生するデメリットを、技術者として知っておくべきだという意図がある。リスクがたくさんある場合、提案した解決策には不備が多いと受け止められ、マイナス評価になってしまう。書き過ぎないように注意すること。

 リスクとは、発生するかしないか分からない潜在的なハザード(危険源)を指す。リスクが顕在化しないような対策の記述も重要だ。設問で「共通して」と指定があるように、求められているのは解決策に残存するリスクではない。