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 新型コロナウイルスの感染拡大による異例の延期を経て、2020年9月21、22日に実施された技術士第二次試験の筆記試験。設問の内容や形式は19年度の試験を踏襲していたものの、マイナーチェンジが散見された。20年度の筆記試験の出題内容を振り返りながら解説する。(日経コンストラクション)

1.必須科目の出題内容

 2020年度の必須科目の出題形式は、技術士第二次試験の改正後に初めて行われた19年度の試験と基本的に同じだった(図1)。2問から1問を選んで答案用紙3枚以内に記述する。テーマは「担い手確保(人材不足)」と「維持管理」で、いずれも建設業界が抱える主要な課題だ。予想通りのオーソドックスな出題だったと言える。

図1■ 必須科目の出題内容
図1■ 必須科目の出題内容
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下線部が2019年度と異なる。19年度の必須科目は小問(1)~(4)が2問とも同じだった(資料:日本技術士会)
下線部が2019年度と異なる。19年度の必須科目は小問(1)~(4)が2問とも同じだった(資料:日本技術士会)
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 ただし、小問の細部は、19年度から微妙に変化した。図1の下線部に示すように、設問によって求められる記述が異なる箇所もある。

 まず、小問(1)では「多面的な観点から課題を抽出し、その内容を観点とともに示せ」と問われた。19年度は「多面的な観点から課題を抽出し分析せよ」であった。

 つまり、20年度は「課題の内容」と「多面的な観点」の両方を示す必要があったのだ。前者は19年度と同じく、課題の分析を書けばよい。課題の背景や現状を整理し、問題となっている理由を説明する。

 後者では、受験者がどのような観点で課題を抽出したのかを述べなければならない。問題を多面的に捉えているかどうかを確かめるのが出題者の狙いだ。

 例えば、課題を2つ挙げた場合。その内容に加えて、それぞれに「これは品質面からの…」や「これはコスト面からの…」といった観点を書く必要がある。

 小問(2)は19年度と全く同じだった。(1)で示した複数の課題から最も重要な1つを選び、それに対する解決策を答える。テーマ自体は難しくないため、題意さえ取り違えなければ解答は容易だったと思われる。

 続く小問(3)は、I-1だけ19年度と異なる。「解決策を実行したうえで生じる波及効果と、新たな懸念事項への対応策を示せ」という設問だ。解決策がもたらす直接の効果ではなく、他の分野や異なる観点の課題にまで影響を及ぼす「波及効果」の提示が求められる。

 具体例を挙げる。担い手不足のテーマで、課題の解決策を省力化や働き方改革とした場合、その直接効果は担い手不足の解消だ。対する波及効果としては、品質や安全性の向上、技術伝承の効果などがある。

 最後の小問(4)もI-1だけ変化した。業務遂行の必要要件に加えて留意点の記述を求めている。ここでは、エンドユーザーの安全・安心を確保するために「抽出した課題に不足がないか」「最も重要な課題の解決を優先しているか」「解決策は効果的か」といった点に留意するなどと書けばよい。