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人事業務のクラウドサービスがタクシーの車内サイネージやテレビCMなどをにぎわしている。HRテックは今まさに戦国時代を迎え、ベンダー各社がAI(人工知能)やデジタル技術を活用した機能強化に工夫を凝らす。主な動向を紹介する。

 人事(HR)とテクノロジーを掛け合わせた造語である「HRテック」。HRテックで「タレントマネジメント」の分野が再び脚光を浴び始めている。

 タレントマネジメントとは、企業が従業員のスキルや職歴などをデータベースとして管理し、人材の最適配置を実現する取り組みやシステムの名称。10年ほど前から徐々に導入が進んできた。

 しかし、ここ数年で従来とは異なる目的での導入が増えている。「これまでは有能な社員を抜てきするためにタレントマネジメントが使われることが多かった。しかし今は従業員のモチベーション管理と離職防止のために導入されることが多い」。タレントマネジメントのクラウドサービス「タレントパレット」を提供するプラスアルファ・コンサルティングの松原雅仁執行役員タレントパレット事業部副事業部長はこう説明する。

 背景には、業種業態を問わず企業が慢性的な人材不足に陥っている状況がある。このため、ベンダー各社は従業員のモチベーションを常に把握し、離職の可能性を素早く検知できる機能を拡充している。

離職しそうな従業員をランキング表示

 例えばタレントパレットでは、従業員のスキルや適性、評価履歴の管理に加え、離職の可能性について分析する機能を拡充している。

 具体的には従業員の適性検査の結果、定期的なアンケートの結果、面談記録、勤怠情報などのデータを、過去に離職した従業員のデータと照らし合わせ、AI(人工知能)で「離職スコア」を算出。離職の可能性が高い従業員をランキング形式で一覧できる。

タレントパレットの「離職スコア」算出機能
タレントパレットの「離職スコア」算出機能
(画像提供:プラスアルファ・コンサルティング)
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 離職スコアの算出にはテキストマイニングの技術を用いる。アンケートなどから離職しやすい従業員が発しがちな言葉を抽出。同様の発言が多くなった従業員は離職する可能性が高いと見なして高めの離職スコアを付ける。プラスアルファ・コンサルティングはクラウド型のテキストマイニングツールの開発・提供も手掛け、同技術を応用した。

 離職スコアの分析結果は人事部や経営層だけでなく部門長も確認できる。これにより、現場での素早い対策が可能になる。