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 AI(人工知能)が日本語を聞いたり読んだり話したりする。そんな「日本語テック」を企業が続々とビジネスに取り入れ始めた。既に業務に欠かせないツールになっている現場もある。先進企業の「日本語テック」の活用を紹介する。

 自分はプレゼンテーションで印象に残る話し方をできているのか――。多くのビジネスパーソンにとって気になるポイントだろう。ソフトバンクはAIで社員のプレゼン能力を採点し、印象に残る話し方に改善する取り組みを進めている。核となるのは、自社で開発中の話し方採点AI「Well Presentation(仮)」だ。

 同社は社内研修として「プレゼンテーション話し方研修」を実施している。座学と演習を通じて、プレゼンでメッセージを相手にきちんと伝える話し方を教える研修だ。ただ「受講者が教わった内容を実践できるかどうか、客観的にフィードバックしてもらう方法がないのが課題だった」。同社でWell Presentationの開発を主導する先端技術開発本部先端技術戦略部MONET戦略課の塩原翔太氏はこう打ち明ける。

 研修の受講者は約20人で、一人ひとりのプレゼンを講師が見て採点するのは時間内では難しい。そこでWell Presentationを活用する。社員はスマートフォンでプレゼンの様子を動画で自撮りして、Well Presentationに話し方を採点させる。採点結果を基に、研修で習った話し方が身に付いたかどうかを自分でチェックする。

プレゼンを自撮りしている様子
プレゼンを自撮りしている様子
(出所:ソフトバンク)
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 Well Presentationの開発を始めたのは2018年2月だ。評価指標の検討、技術選定、データ収集などを進め、2019年夏にプロトタイプシステムを完成させた。システムはスマホアプリとアプリケーションサーバーで構成される。2020年3月までにプロトタイプをプレゼンテーション話し方研修で3回にわたって試行した。2021年までに本格稼働させる計画だ。

4個の評価項目を100点満点で採点

 具体的な使い方は次の通りだ。社員は専用のスマホアプリを起動して、プレゼンをしている数分~数十分の動画を自撮りする。撮影が終わったら、スマホアプリから動画をWell Presentationのアプリケーションサーバーにアップロードする。

自撮りしたプレゼン動画
自撮りしたプレゼン動画
(出所:ソフトバンク)
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 アプリケーションサーバーは動画を映像と音声に分けて解析し、20分以内に採点を終える。社員はその結果をスマホアプリで確認する。