全2038文字
PR

 AI(人工知能)が日本語を聞いたり読んだり話したりする。そんな「日本語テック」を企業が続々とビジネスに取り入れ始めた。既に業務に欠かせないツールになっている現場もある。先進企業の「日本語テック」の活用を紹介する。

 人気飲食店はランチタイムに多忙を極める。途切れない来店客に店員は大忙しだ。そんな時間帯に夜の席を予約する電話がかかってくる。予約電話にいかに応対するかはどの飲食店にとっても悩みの種だ。

 飲食店運営の俺の株式会社もこの悩みを抱えていた。同社の山田真輔執行役員調達戦略部ゼネラルマネージャーは「ランチタイムのピーク時にスタッフが来客対応に追われ、予約電話を取れない事態も起きていた」と明かす。

 俺の株式会社はAIを用いた自動電話応対によってこの課題を解決しようとしている。パイロットとした店舗はステーキハウス「俺のGrill&Bakery 大手町」だ。東京・大手町に構えた同店は138席あり、多い日はランチだけで400人が来店するという。同店にLINEのAI電話応対クラウドサービス「LINE AiCall」を導入し、2019年11月20日から2020年1月19日にかけて実証実験をした。

俺のGrill&Bakery 大手町の外観
俺のGrill&Bakery 大手町の外観
(出所:俺の株式会社)
[画像のクリックで拡大表示]

 LINE AiCallは「音声認識」「チャットボット」「音声合成」という3つの主要機能から成る。音声認識は電話の音声をテキストに変換する。LINE AiCallの音声認識は電話の音声でも高い精度でテキストに変換できるという。

 チャットボットはテキストにした顧客の電話の声を取り込み、意図を解釈する。そのうえで回答をテキストとして作る。実証実験で作ったシステムはLINE AiCallのチャットボットが予約管理システムにアクセスし、席の空き状況を参照したり予約を登録したりする。

 チャットボットが作ったテキストを音声に変換するのが音声合成の機能だ。回答のテキストを自然な音声として流せるという。