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トヨタ自動車が街づくりを宣言し、ホンダが「聖域」の研究所を再編する。一見すると関連性のない話題だが、「これからの100年」に向けた大転換という点で共通する。CASEを前提にしながら、どう収益を確保していくか。技術とビジネスモデルの両面で、自動車業界に大きな変化が起こり始めている。

 「トヨタ自動車はもともと、自動車メーカーではなかった。そして今、我々の技術を織り交ぜることで新しい種類の街を生み出していきたい」―。

 織機メーカーを源流とするトヨタ。同社社長の豊田章男氏は2020年1月、織機、自動車に次ぐ“第3の創業”ともいえる宣言として街づくりに乗り出すと発表した。

 この宣言は、自動車業界が「これからの100年」に向けて岐路を迎えていることの象徴例だ()。内燃機関を搭載した手動運転車を大量生産することで成長してきた従来の戦略は通用しなくなり、「生きるか死ぬかの闘い」(豊田氏)が本格的に進む。

図 自動車業界は「これからの100年」へ
図 自動車業界は「これからの100年」へ
内燃機関を搭載した手動運転車を大量生産するという、「これまでの100年」を支えてきた自動車業界のビジネスモデルは岐路を迎えている。CASEとどう向き合うか、選択と集中を迫られる時期に突入した。(画像:Daimler、Ford、Google、Tesla、日経Automotive)
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 ホンダが「聖域」としてきた4輪車の研究開発体制にメスを入れたのも、「これからの100年」に向けた変化の現れである。本田技術研究所が担ってきた4輪車の開発機能を、2020年4月にホンダ本体に統合する。「創業者の本田宗一郎氏らが技術研究所を立ち上げたのは、未知なる課題に立ち向かうためだった。設立から60年がたち、自動車メーカーにとってただのクルマは未知の存在ではなくなった」(ホンダ関係者)のだ。