「これからの100年」に向けて、自動車業界が生き残りをかけて技術とビジネスモデルの両面で大転換を始めた。トヨタ自動車は“街づくり”を表明し、ホンダは「聖域」だった研究所にメスを入れた。車両の大量生産に支えられて成長したメガサプライヤーも、CASE時代に自社の強みを生かせる戦略を探る。

技術・ビジネスモデルの大転換
「これからの100年」に向けて、自動車業界が生き残りをかけて技術とビジネスモデルの両面で大転換を始めた。トヨタ自動車は“街づくり”を表明し、ホンダは「聖域」だった研究所にメスを入れた。車両の大量生産に支えられて成長したメガサプライヤーも、CASE時代に自社の強みを生かせる戦略を探る。
Part4 技術が変わる
技術開発の中心が、車両の走行性能を高めることから社会課題の解決へと変わり始めた。クルマに乗らない多くの人々にも価値を提供できることが、自動車メーカーの新たな競争力になる。4輪車の開発体制を「聖域」として守り続けてきたホンダが改革に動く。先行する欧州勢は、ソフトウエアへの傾注や「ライフサイクル」への…
Part3 ビジネスモデルが変わる
クルマが「所有」から「利用」に向かい、価値の中心はソフトウエアやデータに移ってきた。車両の大量生産というビジネスモデルが通用しなくなり、各社は次の一手が求められる。いち早く収益につなげたのは、画像処理チップというハードウエアを主力事業としてきたMobileye。ホンダやトヨタ自動車、メガサプライヤ…
Part2 コネクテッドシティー構想の狙い
トヨタ自動車が、富士山麓で“街づくり”を始める。人やモビリティー、住宅などのモノや情報をネットでつなぐ「コネクテッドシティー」だ。都市開発で先行する米グーグル(Google)陣営とは、データに対する考え方が大きく異なる。トヨタはいきなりデータビジネスを志向せず、自動運転車など端末利用でリアルな地盤…
Part1 本格化した「100年に一度の大変革」
トヨタ自動車が街づくりを宣言し、ホンダが「聖域」の研究所を再編する。一見すると関連性のない話題だが、「これからの100年」に向けた大転換という点で共通する。CASEを前提にしながら、どう収益を確保していくか。技術とビジネスモデルの両面で、自動車業界に大きな変化が起こり始めている。