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米大統領の訪韓に合わせて、米韓が半導体協力を再確認か

 韓国政府が新たな半導体戦略を打ち出すとすれば、ユン・ソクヨル氏が大統領に就任し、バイデン米大統領が訪韓する22年5月末のタイミングが有力だ。

 バイデン米大統領は訪韓に合わせて、韓国政府と韓国企業に対して半導体協力を求め、米韓同盟は安全保障のみならず経済や技術分野にも必要であることを再確認するとみられる。訪韓中の具体的なスケジュールはまだ公開されていない(記事執筆時点)。しかし米韓首脳会談のほかに、韓国財閥トップと懇談会を設けて半導体・バッテリー・電気自動車(EV)の米国主導供給網協力について話し合う可能性がある。さらにバイデン米大統領がサムスン電子の平沢(ピョンテク)半導体工場を訪問するという噂もある。

 21年5月の米韓首脳会談の際には、韓国Samsung(サムスン)グループと韓国SKグループ、韓国Hyundai(現代)グループ、韓国LGグループという4大財閥グループが44兆ウォン(約4兆5000億円)規模の米国内への投資計画を発表した。現在は、韓国企業が米国内に半導体工場やバッテリー工場を建設中で、米政府により税制優遇やインフラ支援などを受けている。今回の米韓首脳会談でも米国政府は、米国内への投資を促す優遇策を示しながら、さらに緊密に米国主導の供給網再編に参加を求めるものとみられる。

 なお韓国内では世界の半導体不足は24年まで続くと予測する向きがある。半導体を生産するために必要な素材や設備まで、ロシアによるウクライナ侵攻や新型コロナウイルスの感染拡大以降の物流難によって、予定通り生産できなくなっているからだ。生産装備に必要な部品が届かず生産遅延し、さらに生産装備が届かず半導体の生産も遅延するという、悪循環が続いている。