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 新型コロナウイルスの感染が広がる中、発端となった中国では感染拡大を抑えるために様々な対策が採られている。都市封鎖をはじめとした政府による様々な施策に加え、各企業も引き続き感染拡大を抑えるため、社員ができるだけ外に出なくてもよいように工夫を重ねている。在宅勤務の実施はその典型だ。

 今回は、在宅勤務によるリモートワークの広がりで利用が進む中国のコラボレーションツールとその実際の使われ方を紹介していく。チャットや会議、文書共有などに利用されるビジネスツールである。

コラボレーションツールの無償開放が相次ぐ

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、ビジネス向けのコラボレーションツールを提供する各社は相次ぎ、自社サービスの無償開放を実施している。

 その動きは早かった。2020年1月末から2月初めにかけて、中国IT大手のアリババグループ(阿里巴巴集団)やテンセント(騰訊)、通信機器大手ファーウェイ(中国華為技術)などが自社が提供するコラボレーションツールの多くの機能を無償開放した。中国国内で各メディアが新型コロナウイルスによる肺炎のニュースを一斉に報じたのが1月20日であることを考えると、多くの企業が2週間足らずで無償開放を決断・実施したということになる。

 例えば、アリババ傘下でコラボレーションツールを提供するDingTalk(釘釘)は2020年1月29日、リモートビデオ会議、スケジュール共有、タスク管理、オンラインドキュメント管理など、在宅勤務を効率的に進めるために重要度が高い機能を無償開放した。同時に、在宅勤務をサポートするためのマニュアルも無償公開している。

 DingTalkはその他、健康管理機能を新規開発してリリースしている。従業員が体調などの情報を毎日入力し、管理者が一元管理できるものだ。社員がその日乗った電車を入力すると、その電車から感染者が見つかったかどうかを通知してくれる機能もある。

DingTalkは各種コラボレーション機能を無償開放や健康管理機能のリリースを発表した。
DingTalkは各種コラボレーション機能を無償開放や健康管理機能のリリースを発表した。
出所:DingTalkのWeibo公式アカウント
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 テンセントも、リモートワークを促進するために多くの機能を新規開発して無償開放したり、既存の機能を無償開放したりしている。

 例えば、中国で多くの人が利用している、いわばLINEのような位置付けのチャットツール「WeChat(微信)」の企業版「WeChat Work(企業微信)」では、20年1月28日にはオンライン会議機能の人数を最大300人までに拡大したと発表。また2月3日にはWeChat内でのライブ動画配信機能、リアルタイムで従業員の健康状況を更新、共有する機能、一度に1000人に通知を送信できる機能などをリリースしたと発表している。

 他にも既存のチェックイン機能、リポート機能、文書共有機能を無償開放するなど、企業の在宅勤務の実施を支援する。