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 2020年6月に国土交通省が公表した2020年版の国土交通白書には、出題の可能性が高いテーマが豊富に収録されている。白書の記述を基に具体的な答案を展開する方法を解説する。白書の内容や読み方は第7回の技術士一直線を参照してほしい。

1.必須科目(維持管理)

 必須科目の出題内容や基本的な論文構成は第3回の技術士一直線 にまとめてある。

 ここでは、国土交通白書の第I部第3章「今後の国土交通行政が向き合うべき課題と方向性」で示された第1~第5節のうち、第2節の維持管理のテーマについて出題された場合の答案の展開方法を紹介する。 まず、白書の第2節に書かれた今後の政策・施策をおおむね3項目にまとめる。維持管理のテーマでは、以下の3つが挙げられる。

(A)予防保全への転換
(B)新技術の活用
(C)地方自治体間の連携や国による支援

 (A)~(C)を見出しにして、小問(2)で問われる「最も重要な課題とその解決策」の解決策として書く。次に、3つの施策によって解決できる課題を逆算して求める。例えば、「いかに人材不足の状況下で維持管理するか」などである。

 人材不足を小問(2)の最も重要な課題として記述した後は、維持管理の課題をもう2つ考える。「いかにコストを抑えるか」、「いかに優先順位を付けるか」などだ。小問(1)の答案は、最も重要な課題と合わせて3つの課題を見出しとして記述し、それぞれに分析を加えれば完成する。

 小問(3)で問われる共通リスクとは、解決策(A)~(C)を実施した場合に起こりうるハザード(危険性)のことだ。「解決策を講じたとしても社会資本ストック自体がなくなるわけではないので、今後も維持管理の負担は増えつづける」などと記述すればよい。 リスク対策としては、「今後新たに造る構造物は、維持管理の負担が減るよう設計段階から考慮する」、「新設構造物はメンテンナンスフリーとして維持管理の対象を減らす」といった解答ができる。

 最後の小問(4)は、業務遂行の必要要件を数行で記述すればよい。一連の内容を小問の順番に沿って整理すれば、下図のように論文の構成が見えてくる。つまり、想定されるテーマの課題に対して、白書から3項目程度の解決策を見つけ出しておけば、答案は完成したも同然だ。

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