全1312文字
PR

2020年から始まる新たな建築士制度では、これまで一級建築士試験の受験時の要件だった実務経験が「免許登録要件」となった。試験の合格後に実務経験を申告し、審査に合格することで、晴れて一級建築士になれる。

 20年3月1日施行の改正建築士法に基づく新制度では、実務経験の対象となる業務が広がる半面、その審査方法は厳格になる。まず、審査機関に提出する実務経歴書の記載内容が大幅に増えた。

 法改正前の実務経歴書は、一級建築士試験の受験申込時に、在職期間中に担当した物件名や構造、規模、担当業務を列挙する程度だった。新たな実務経歴書には、建築実務の内容に加え、物件ごとに実務の詳細を記入しなければならない。必要な情報は、対象物件の名称や所在地、実務経験の期間、建物の用途や構造、規模、担当業務などだ。

申請から免許登録までのステップ
申請から免許登録までのステップ
新制度で一級建築士試験の合格者が免許登録するまでの流れ。実務経歴書と実務経歴証明書の様式に記載する内容が増えたうえ、審査は厳しくなる(資料:国土交通省、日本建築士会連合会の資料と取材を基に日経アーキテクチュアが作成)
[画像のクリックで拡大表示]

 実務経歴書の内容を第三者が証明する仕組みも強化した。建築士事務所での実務の場合は原則として管理建築士または所属建築士に、建築士事務所以外の場合は法人による証明に限定する。転職した場合などは、以前の職場からも証明書をもらう必要があるので注意が必要だ。

 実務経歴証明書には、証明者の氏名、住所、申請者との関係、証明する実務内容などを記入したうえで押印する。証明書の末尾には、虚偽の証明をした場合は、処分や告発の対象となり得ると明記されている。