全2244文字
PR

 新型コロナウイルスの感染拡大やそれに伴う政府の要請などにより、社員にテレワーク(リモート勤務)を推奨あるいは強制する企業が増えている。人と接触する機会を減らし、感染症の拡大防止につなげるためだ。

 こうしたテレワークへの対応が急務となる現状では、インフラが未整備であるにもかかわらず上層部からテレワークの導入や推進を突然命じられるケースは少なくないだろう。そこでテレワークに今すぐ使える「ビジネスチャット」「ビデオ会議」「ファイル転送サービス」の3種類のWebサービスを紹介する。どれも無料で既存のネットワークやシステムに手を加えることなく利用できるため導入コストを抑えられるだろう。

 ただしテレワークの導入には注意が必要だ。テレワークでは当然働き方が変わる。勤怠管理の仕組みやリモート作業で発生する費用負担を社内規約に盛り込む必要があるだろう。

 セキュリティーにも注意したい。テレワークは社内パソコンを社外や自宅に持ち出して作業するケースが多い。重要な業務データを社外で扱うこともあるだろう。情報漏洩やパソコンの盗難が発生すると大きな問題になる。テレワークに使う端末のセキュリティーを保つとともに、やりとりするファイルや通信の暗号化も欠かせない。Webサービスに設定するパスワードを推測しにくいものにして、なりすましを防ぐ必要もある。

チャットツールでコミュニケーション不足を解消

 テレワークの実施に当たって解決すべき課題がいくつかある。その1つが上司や同僚とのコミュニケーションだ。対面で話す機会がなくなるためリアルタイムのコミュニケーションが取りづらくなる。とはいえ、電話を常時接続しておくわけにはいかない。またメールを使った連絡はタイムラグが発生しがちだ。「○○さん、お疲れさまです。」といった定型文を記述する時間も無駄である。

 このような場合に検討したいのが電話とメールの「良いとこ取り」をした「ビジネスチャットツール」である。インターネットに常時接続しているパソコンやスマートフォンでビジネスチャットツールを利用すれば、リアルタイムのコミュニケーションが可能だ。会話をするようにメッセージをやりとりしたり、ファイルを共有したりできる。

 代表的なビジネスチャットツールには米マイクロソフト(Microsoft)の「Microsoft Teams」や米スラック(Slack)の「Slack」が挙げられる。いずれのツールも機能制限はあるが無料版を用意している。まずは無料版で試して物足りないようなら有料版の導入を検討するとよいだろう。

Office文書のやりとりが多いならTeams

 TeamsとSlackのチャット機能やファイル共有機能に大きな差はない。では導入に当たってどのようなポイントを考慮すればよいのだろうか。ここで2つのビジネスチャットツールの無料版の特徴を大まかに紹介する。

 Teamsの特徴はマイクロソフトのOffice製品群との相性の良さだ。例えばWordやExcel、PowerPointといったファイルをTeams内で共有し、編集・閲覧できる。プレゼンテーションの資料を共有して部署内のメンバーでチャットをしながら検討するといったことが手軽にできる。テレワークで遠隔地から会議に参加しなければならない場合などに有用だ。

Microsoft Teamsの画面例
Microsoft Teamsの画面例
(出所:日本マイクロソフト)
[画像のクリックで拡大表示]