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 本日から当面は、出社せず自宅で仕事をするように――。新型コロナ対策のため日本企業でこんな社内通達が相次ぎ、一斉にテレワークが始まった。ただしにわか仕込みのテレワークだけに、悪気なく「禁じ手」を繰り出す上司が少なくない。実際の話をベースにした架空ストーリーを通じて、テレワークの禁じ手を解説する。

 「また沈黙だ。ちゃんと仕切ってくれないと。こんな会議は無駄だよ」

 都内の大手製造業のIT部門に所属する中堅システムエンジニア(SE)のタナカさんは、Web会議の途中でため息をついた。先週から新型コロナ対策として全社的なテレワークが始まり、今日は週次の定例会をWeb会議で開いていた。上司のオノ課長とタナカさんら10人の部下全員が参加し、議題を映したプレゼンテーションソフトの画面を共有して音声によって会議をしている。

 タナカさんがいらいらしているのはたびたび沈黙が続くことだ。チーム全員が参加する初回のWeb会議ということもあり、オノ課長はテレワークでの仕事の進め方について意見を聞いている。

 「誰か意見はありませんか……」「どうでしょうか……」

 参加者は互いに顔が見えない中、皆がどこまで仕事のやり方を変えようとしているのか場の雰囲気をつかめず、発言が滞りがちだった。そんな状況で、オノ課長は自由に発言してほしいとこんな言葉を繰り返していた。

(出所:123RF)
(出所:123RF)

 最初は発言するメンバーがいたが、話している途中で割り込んでコメントするメンバーがいて、誰が何を話しているのか分からなくなる状況も生じていた。しかしオノ課長が積極的に議論の交通整理をしないため、ギクシャクして余計に誰も話そうとしなくなっていた。

 「オノ課長が仕切るWeb会議は無駄でしかない」。タナカさんはストレスをためていた。

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