2019年12月に中国湖北省武漢市で発生した「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)」。まず武漢市、そして湖北省や中国国内で猛威を振るい、日本を含む世界各国に広がった。2020年3月11日、世界保健機関(WHO)は感染症の世界的流行を意味する「パンデミック」を宣言。中国を中心に国家間の行き来が凍結され、米国をはじめ各国の株式市場でリーマン・ショックを超える下げ幅を記録するなど経済に大きな打撃を与えた。サプライチェーンが機能停止するなど製造業にも甚大な被害が出つつある。危機は進行中で状況は刻々と変化しているが、「新型コロナ危機」のこれまで2カ月と現状をまとめる。

緊急リポート:コロナ危機が製造業を揺るがす
出典:日経ものづくり、2020年4月号 p.61
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目次
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未曽有の危機にトヨタ、ホンダはどう動いた? 新型コロナで揺らいだ60日をリポート
新型コロナウイルス感染症の流行を前に、世界が立ちすくんでいる。2019年12月に中国湖北省の武漢市で、新型コロナに感染したと思われる肺炎患者が見つかってから約3カ月。2020年3月には中国のみならず、世界中にまん延している。感染者数は2020年3月23日時点で約29万4000人に上り、その勢いは衰…
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新型コロナでまず中国調達が断絶、モノ・ヒトの流れ寸断であがる現場の悲鳴
日本国内の生産拠点では、中国から調達している部品が手に入りにくくなっており、生産量が減少傾向にある。中国の生産拠点では当局の規制で従業員が出勤できず、生産量が大幅に減少している─。日経クロステック/日経ものづくりが実施したWebアンケート調査では、こんな結果が出た。
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調達リスク可視化で新型コロナに負けない工場へ、盲点は設備保全リスト
新型コロナウイルス感染症のまん延で休暇が延びた中国の春節(旧正月が開けた2020年2月10日以降、日本企業が徐々に中国工場の再稼働に踏み切った。だが、生産再開や生産レベルの復帰スピードには企業間で差がある。危機への対応力を高めるべく、リスク情報を踏まえた工場管理が必要だ。
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「連絡が取れない」「食堂で相席禁止」「金型業者が取り合いに」現場から噴き出すコロナ危機の現実
日経クロステック/日経ものづくりが2020年3月に実施したアンケート調査の自由記述からは、現場からの不満の声が聞こえる。今回はアンケートの自由記述に寄せられた中から特に興味深い回答について電子メールなどで追加取材。製造業の最前線に立つ経営者や研究・開発者、調達・購買担当者などの生の声を紹介する。
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「コストは誰が?」「もっと無人化進める」「ピンチはチャンス」コロナ危機で変わる製造業の近未来
「国内回帰といっても、頼るべき町工場が廃業している」「困ったからと言って頼りにされ、コスト増分は負担しろとは虫が良すぎる」――。日経クロステック/日経ものづくりが2020年3月に実施したアンケート調査の自由記述からは、現場からの不満の声が聞こえる。