長島 聡氏は、潜在力(ありもの)を顕在化させ、それを組み合わせて新しいものを生み出そうという日本型イノベーション「和ノベーション」(関連記事)を提唱する。そんな長島氏と、日本の製造業の力を生かした価値創造を目指すという点で意気投合したのが、ベッコフオートメーション代表取締役社長の川野俊充氏。さらにコアコンセプト・テクノロジー取締役CTOの田口紀成も加わり、AI(人工知能)やVR(仮想現実)、IoT(Internet of Things)といった最先端技術も駆使して日本の製造業を盛り上げようと意気込む3人が、日本のものづくりの現場力を再発見すべく実力派の工場を訪ね、和ノベーションの可能性を探る。併せて、優れた技術や知見、ノウハウを擁するものづくりの現場での取り組みについて、寄稿やインタビュー、対談の形で随時紹介していく。

(2020年1月までの連載はこちら)

長島 聡(ながしま・さとし)
きづきアーキテクト 代表取締役 工学博士
早稲田大学理工学研究科博士課程修了後、同学理工学部助手、1996年ローランド・ベルガーに参画。自動車等の製造業を中心に500を超えるプロジェクトを手がける。同社日本代表、グローバル共同代表をへて、2020年10月よりRoland Berger Holding GmbHのシニアアドバイザー。2020年7月に新事業を量産する会社、きづきアーキテクトを創業。ファクトリーサイエンティスト協会理事、次世代データマーケティング研究会代表理事、慶応義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科特任教授、ベンチャー企業のアドバイザー、政府系委員なども務める。
川野俊充(かわの・としみつ)
ベッコフオートメーション 代表取締役社長
東京大学理学部物理学科を卒業後、日本ヒューレットパッカード株式会社を経て2003年カリフォルニア大学バークレー校 ハース経営大学院経営学修士。日本ナショナルインスツルメンツ株式会社の事業部長、慶應義塾大学SFC研究所 上席所員を兼任し、2011年に「EtherCAT」開発元のベッコフオートメーション代表取締役社長に着任。ソフトウエアPLC/NC/RCのTwinCATによるPC制御ソリューションの普及に注力。在日ドイツ商工会議所理事を務めた他、21年6月からファクトリーサイエンティスト協会理事、インダストリアル・バリューチェーン・イニシアティブ(IVI)理事も務めている。
田口紀成(たぐち・ただあき)
コアコンセプト・テクノロジー 取締役CTO
2002年、明治大学大学院 理工学研究科修了後、インクスに入社し製造業向けの3D CAD/CAMシステムの開発に従事。2009年、コアコンセプト・テクノロジーの設立メンバーとして参画し、2015年より取締役CTO就任。理化学研究所客員研究員を兼務し有機ELデバイスの製造システムの開発及び金属加工のIoTを研究。2017年よりものづくり中小企業のIoT/AI企業化推進をかかげ「Orizuru」の開発・展開に尽力。