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熱対策は後頭部側でも

 続いて、後頭部側のユニットを分解に着手した。ところが、すぐに手が止まってしまった。ヘッドバンドの長さを調節する特殊な機構にネジなどが見つからず、分解方法が分からなかったからだ(図12)。

(a)特殊なヘッドバンドの長さ調整機構
(a)特殊なヘッドバンドの長さ調整機構
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(b)ヘッドバンド内部
(b)ヘッドバンド内部
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(c)後頭部側ユニットを分解
(c)後頭部側ユニットを分解
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図12 後頭部側も充実な熱対策
ヘッドバンドの長さは、樹脂と金属板で 作られた部品が蛇腹のようにかみ合わ さった特殊な機構(図2のⓁ)で調整する (a)。ヘッドバンド内部(図2のⒿ)には スピーカーが配置され、耐久性の高い太 い通信ケーブルが通っていた(b)。シス テム駆動基板の熱対策にはベーパーチャ ンバー(図2のⓅ)を採用し、分厚いTIM できょう体カバーに熱を逃がす(c)。 きょう体カバーの内面は、前頭部側と同 様にグラファイトシートで覆われていて 熱を拡散する。(写真:日経クロステック)

 結局、機構部分を切り取るようにして分解したが、その途中で調整ダイヤルがポロッと外れてネジが見えた。正解の分解手順は、まず調整ダイヤルを引っこ抜くことだったようだ。

 ヘッドバンドの内部には、前後の基板をつなぐケーブルとスピーカーが搭載されている。ケーブルの長さを同じにそろえたかったのか、ツイストケーブルではなく1本1本を横に並べたフラットな形状でケーブルが配線されていた。

 後頭部側ユニットを分解して中身を取り出すと、こちらも熱対策に力を入れていることが分かった。例えばきょう体の内側は、前頭部のユニットと同じくグラファイトシートで覆われていた。

 そのグラファイトシートに分厚いTIMを挟んで接触していたのは、放熱部品のベーパーチャンバーである。ベーパーチャンバーは、こちらも分厚いTIMで、アプリケーションプロセッサーなどを実装したシステム駆動用基板に取り付けられていた。基板の熱を拡散させてきょう体へ逃がしているとみられる(図13)。

図13 立体的な構造設計を詰め込んだ後頭部側のきょう体
図13 立体的な構造設計を詰め込んだ後頭部側のきょう体
後頭部側のきょう体を分解すると、立体的に設計された構造(図2のⓂ)が出てくる。くの字に曲がった立体的な電池は、小さな容量の電池を4つつなげることで実現した。電池横のスペースには、アンテナパターンを印字した樹脂製の筒(図2のⓄ)を配置し、スペースを無駄なく使用している。(写真:電池はスタジオキャスパー、それ以外は日経クロステック)
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