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ホーム用品を原点とするアイリスオーヤマの家電事業が急成長している。2020年の同事業の売上高は1200億円を超え、2009年の参入からわずか10年間で事業規模を10倍以上に拡大した。家電の多機能化が進む中で、あえて機能を絞ったシンプルさを武器にしている。成功の要因は何か、今後どのように事業を発展させるのか。代表取締役社長である大山晃弘氏に話を聞いた。(聞き手は内田泰、東将大)

(写真:加藤 康)
(写真:加藤 康)
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2009年に家電事業に本格参入し、わずか10年間で事業規模を10倍以上に拡大されました。これまでの約10年の成功の秘訣は何でしょうか。

 我々のものづくりは「ユーザーイン」という発想を重視しています。ユーザーが欲しいと思う機能に特化した商品を作っていくという意味です。同時に、いらない機能をそぎ落としていくやり方も重視しているので、ユーザーが本当に欲しい機能が手ごろな値段で手に入るようにできます。我々の家電が市場で受け入れられた要因はここにあります。

 このほか、流通の多様化に対応してきたのも要因の1つです。これまでの小売りは家電量販店が中心でしたが、ネット通販(EC)の割合が非常に大きくなってきました。そのため、ユーザーとの接点が増えて新しい市場が生まれています。そこに対して我々が積極的にアタックをして、需要を大きく取り込めたということです。