
NE Special Report
目次
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超電導コンピューターが離陸へ、スパコンの電力を1/2000に
量子コンピューターの制御にも利用
脱炭素時代の到来に合わせて、コンピューターの消費電力を圧倒的に低減する技術が登場してきた。それが「超電導コンピューター」だ。横浜国立大学 工学研究院 知的構造の創生部門 教授の吉川信行氏の研究室は、4ビット動作の超電導RISC型マイクロプロセッサー「MANA 1」を開発した。
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10年で売上10倍の家電開発 極意は「手頃な価格をまず設定」
大山 晃弘氏(アイリスオーヤマ代表取締役社長)
ホーム用品を原点とするアイリスオーヤマの家電事業が急成長している。2020年の同事業の売上高は1200億円を超え、2009年の参入からわずか10年間で事業規模を10倍以上に拡大した。家電の多機能化が進む中で、あえて機能を絞ったシンプルさを武器にしている。成功の要因は何か、今後どのように事業を発展さ…
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アナログICとパワー半導体ならまだ世界と十分戦える、ロームCTO
立石 哲夫(ローム 取締役 上席執行役員 CTO兼LSI事業統括)
SiCパワーMOSFETや絶縁ゲートドライバーIC、DC-DCコンバーターIC、オペアンプIC――。ここ数年、ロームはアナログICやパワー半導体の分野で、特徴のある新製品を矢継ぎ早に市場に投入している。目指すは、海外のアナログ/パワー半導体メーカーと伍して競争することだ。そこで同社のCTO兼LSI…
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全樹脂電池は定置用が本命、狙うは既存のLiイオン2次電池の半額
堀江 英明氏(APB 代表取締役 CEO)
新発想の全樹脂Liイオン2次電池を生み出し、実用化したのが、APB 代表取締役 CEOの堀江英明氏だ。同氏が狙うのは、定置用という電気自動車用よりも大きな新たな市場である。電池の特長と今後の戦略を聞いた。
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秀逸なXbox Series S、緻密に計算されたベテランの技が光る
PS5対Xbox Series X(3)
米Microsoftは「Xbox Series X」と同時に、光学ドライブを非搭載とし、性能を抑えて小型化した廉価版の「Xbox Series S」を発売した。Series Sは、Series Xとサイズやデザインが大きく異なる。
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打倒PSを目指したXbox Series X、コスト度外視でとにかく小さく
PS5対Xbox Series X(2)
もう一方のSeries Xは、小型化とデザインを重視して設計されていた。例えばデザインでは、縦置きしたときの天面にある通気口は、斜めから見るとイメージカラーの緑色が穴から見える(図11)。わざわざ樹脂板を1枚追加してでも表現したかったのだと思われる。
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外付けコンデンサー不要の電源IC、電流モード制御方式採用で実現
ロームは、出力コンデンサーの静電容量を大幅に削減できるLDOレギュレーターICを開発した。従来は、1µFを超える出力コンデンサーを接続する必要があったが、これを100nF程度の容量に減らしても安定した出力電圧が得られる。
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次世代ゲーム機頂上決戦、大サイズを許容しコストを優先したPS5
PS5対Xbox Series X(1)
2020年11月にそろって発売となった次世代ゲーム機「PlayStation 5」と「Xbox Series X」。両製品を比較すると、演算性能などの基本スペックは同等でありながらサイズやデザイン、熱設計などが大きく異なる。
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特殊なリジッド基板あれこれ、高周波特性や放熱特性を付加
第4回
前回は、電子基板の基本となる「リジッド基板」の構造や製造方法を説明しました。今回は、応用編として電子部品同士を配線するだけではなく、基板自体に高周波特性や放熱特性を付加した基板を紹介します。
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MSのHoloLens 2分解、視野角50度超えにあの手この手
HoloLens2 分解(2)
続いて、後頭部側のユニットを分解に着手した。ところが、すぐに手が止まってしまった。ヘッドバンドの長さを調節する特殊な機構にネジなどが見つからず、分解方法が分からなかったからだ。
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「感情推定」進化の裏にAI、脳の分析に大きな可能性
ハッピーテック(3)
人間の感情を推定する技術は多岐にわたる。感情は、表情など表に出るものだけでなく、表に出ないものもあり、推定技術を目的や状況によって使い分ける必要がある。
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まるでパズル、コスト度外視HoloLens 2のスゴイ中身
HoloLens2 分解(1)
2020年7月に一般販売が開始された米Microsoftの「HoloLens 2」。価格が約42万円(税込み)と高価だ。しかし、競合製品に比べて広い視野角や豊富なクラウド連携アプリケーションによって、法人向けを中心に採用が広がっている。今回はそのHoloLens 2を分解し、熱設計や光学系の内部を…
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生活に溶け込む「感情推定」、家も車も人に寄り添う
ハッピーテック(2)
様々な業種の企業が感情推定技術を利用した製品・サービスの開発を進めている。ゴールは、ユーザーに幸福感や満足感を与えることだが、そこへのアプローチは各社各様だ。
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「感情ドリブン」時代が到来、幸福をもたらす製品開発
ハッピーテック(1)
人間に幸福をもたらす「ハッピーテック」が、日常生活の様々なシーンに実装される未来が近づいている。センサーやAI(人工知能)などの技術を活用し、製品やサービスを利用する人の感情に応じて「個別最適化(パーソナライズ)」する技術だ。ハッピーテックは新しい製品・サービスを生み出し、開発の在り方も変えるイン…
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「幸福度の可視化」をビジネスの核に、社会と製品を変える
矢野 和男氏(ハピネスプラネット CEO〔最高経営責任者〕)
日立製作所は2020年7月20日、「幸福度」の可視化技術を利用した新たな事業を創出するための新会社を設立した。名称はハピネスプラネット(東京・国分寺市)。CEOは、加速度センサーで幸福度を測定する技術開発に約17年間も携わってきた矢野和男氏が務める。
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空飛ぶクルマを23年度に実現、自動運転と認証獲得に全力
福澤 知浩氏(SkyDrive 代表取締役CEO)
新しいモビリティーとしてeVTOL(電動垂直離着陸機)、いわゆる空飛ぶクルマの開発競争がグローバルで激しさを増している。そんな中、日本でマルチコプターベースのeVTOL機を開発しているのが、ベンチャー企業のSkyDriveだ。同社代表取締役CEOの福澤知浩氏に同社の事業状況について聞いた。(聞き手…
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実用化進むセルロースナノファイバー 石油依存を断ち切る手段に
東京大学 特別教授 磯貝 明氏
木材を原料とした植物繊維「セルロースナノファイバー(CNF)」の利用が広まっている。自動車用部材に向けた開発が活発で、2019年12月には住友ゴム工業がタイヤに配合して製品化につなげた。このタイヤ向けCNFの実用化の基礎を支えたのが、東京大学の磯貝氏の研究だ。同氏にCNFの針路を聞いた。
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事業の柱は高信頼の半導体、ソフトウエア力をもっと強化
ルネサス エレクトロニクス 代表取締役社長 兼 CEO 柴田 英利氏
先の見えないリストラを続けてきたルネサス エレクトロニクスが業績面で復活してきた。周回遅れと言われた米国半導体企業の買収が奏功した格好だ。グローバル企業となった同社は、何を目指し、どこに向かうのか。2013年からリストラや買収に辣腕を振るい、2019年7月に代表取締役 兼 CEOに就任した柴田英利…
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進化する“未成熟な製品”、目指すは「オーダーメードの快適性」
身に着けるクーラー開発物語(後編)
ここ数年、市場が急拡大している暑熱対策機器の中でも、2020年に大きな注目を集めたのが、空調メーカーの富士通ゼネラルが開発した「Cómodo gear」。本業の知見を生かし、「ペルチェ素子+水冷」という他に類を見ない機構を採用して“冷やす”ことにこだわった製品だ。
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“身に着けるエアコン”開発の舞台裏 駆け出し社員、奮闘の3年半
身に着けるクーラー開発物語(前編)
新型コロナウイルスの感染拡大で予想だにしない業績悪化に見舞われる業種が多い中、前年比で市場が大きく成長している製品種がある。ペルチェ素子で首元を冷やす装置や電動ファンで体を冷やしたりするウエアなどの暑熱対策機器である。