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「中国で自動ドアの需要が急増している。営業や生産が全く追い付かないほどだ」

 こんな知らせが私に届いた。私の属する未来調達研究所では、サプライチェーンや調達・物流の分野を中心としたコンサルティングを手掛けている。2020年2月以降、新型コロナウイルスによる企業活動への影響について、様々なアンケートを実施し、その結果を無料で公開してきた。

 2月は「中国から部材が入らない」という声が上がり、3月上旬にはその対象地域に東南アジアが加わった。同月中旬~下旬にはEU(欧州連合)や米国にも広がり、今では「需要急減で自社の生産自体がなくなった」という声も出てきた。

 自動車メーカーや電機メーカーは国内でも生産を止めるようになり、稼働率が低下した中小企業から「このままでは倒産する」という悲痛な叫びが聞こえてくる。私は4月上旬に「製造業は5月に大きな試練を迎える」と予測した。残念ながら、実際にそうなりそうな気配がある。

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 そんなとき、冒頭の報告が飛び込んできた。製造業が需要低迷に苦しむ中、良い知らせだと思える。需要が戻り、生産が再開すれば、メーカーだけではなくその下請けや孫請けも恩恵を受けられる。

 単純に中国経済が復活し、建設需要が盛り返してきたという側面もあるだろう。しかし、私はそれ以上の可能性を感じずにはいられない。それは、新型コロナウイルスと折り合いを付けながら経済活動を継続する「ウィズコロナ」や、新型コロナウイルスの感染が収束した「アフターコロナ」時代の製造業の姿だ。

(出所:PIXTA)
(出所:PIXTA)

「触りたくない」「触られたくない」需要に商機

 結論からいえば、ウィズコロナ/アフターコロナ時代には「非接触」「画像処理」「抗菌・抗ウイルス」に関する技術が重要になるだろう。ウィズコロナ/アフターコロナ時代とは、人と人との間に距離や壁を設けなければならない、「非接触型社会」「非集合型社会」とも呼ぶべき社会の到来である。必然的に、そのような社会に対応した商品が求められる。