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理由2:厳しすぎる時間指定
 これは日本に限らないが、BtoBの配送で問題となるのは買い手からの時間指定だ。自動車メーカーの「ジャスト・イン・タイム(JIT)」が有名である。もちろん、買い手としては中間材料・部材を持たなくて済むので優れた施策といえる。

 ただし、JITでは買い手の工場周辺にトラックの行列が発生する場合がある。遅れるわけにはいかず、ぴったりの到着も難しいからだ。

 従って、共同配送するにしても時間指定条件が厳しすぎると、あまり効率的にならない。「こんなに待ち時間が発生するのであれば、個別に配送したほうがマシ」という結論になる。さらに、積載率も悪化する恐れがある。

 同様に、季節の問題も挙げられる。同一業界での共同配送は繁閑の波が重なり、ピークが増幅するのだ。例えば、飲料業界は夏に配送のピークを迎える。飲料メーカー2社が共同配送しようとすると、繁忙期に倍のキャパシティーが必要になる。一方、閑散期にはそのキャパシティーが無駄になり、物流効率が落ちる。

理由3:物流コストが不明瞭
 これは個人的な経験に基づいている。だから一般論ですらないのかもしれない。

 以前、私は取引先との物流を改善すべく、あるプロジェクトを推進した。前出のミルクラン方式によってサプライチェーン全体の物流費を下げようとする取り組みだ。

 日本企業では、商品や部品の種類が年々増えている。一方で、商品/部品の種類ごとの物流量(購入/販売量)は減少傾向にある。その結果、配送時の積載率などが悪化し、商品/部品1つ当たりの物流コストは上昇していることになる。

 では、その上昇している物流コストはいくらなのか。共同配送を実現するには、これを明確にしなければならない。

 ところが、ほとんどの売り手は「もともと物流費なんていただいていないですよ」「請求できるものなら請求したいぐらいですよ」などといって、コストを明らかにしてくれない。共同配送やミルクランを実現できれば、コストは確実に下がるのに、だ。「もともと物流費を明確にしろという契約になっていない」といわれればそれまでだし、実際にそれまでになっている。