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画像は本文と直接の関係はありません(出所:日経クロステック)
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半導体メーカー“逆接待”に至るまで

 筆者が製造業で調達業務を開始した2000年ごろ。先輩たちからこんな話を聞かされた。「この前、初めて半導体関連のメーカーや商社を接待した」と。

 いわゆる調達・購買部門は、メーカーや商社から接待される側の立場だった。しかし、その頃は半導体の圧倒的な不足に直面し、どこも自社分の枠の拡大を求めていた。そこで逆接待になったというわけだ。

 その狂乱はITバブルが01年に弾けて沈静化した。ただ、沈静化する前は苦難がずっと続くと感じたものだ。朝、職場に行くと、「不足品リスト」が生産部門から配布される。そこから夕方まで、ずっと電話をかけて入手状況をヒアリングしたり、あの手この手で催促したりする。当時は半導体のブローカーが跋扈(ばっこ)しており、価格を釣り上げることもあった。あるいは世界の最果てまでディストリビューターの在庫を探したり、そこから空輸で送ってもらったりした。

 そこから幾星霜。またしても歴史は繰り返す。このところ企業の決算報告を眺めていると、半導体の入手状況によって右往左往している様子が分かる。例えば、この数カ月だけでも、これらの企業が言及した。ホンダ、米Ford Motor(フォード)、SUBARU、任天堂、米Apple(アップル)、中国・小米科技(シャオミ)……。

 半導体を使用する側の企業は、生産数が減少、あるいは一部停止、ならびに通期業績に影響が出ると説明した。もちろん逆に、半導体の提供側企業である独Infineon Technologies(インフィニオン)、オランダASML、東京エレクトロン、台湾TSMC(台湾積体電路製造)……については、業績の上方修正などが報じられている。