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(vinnstock/PIXTA)
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温暖化ガスの算定方法、知っていますか?

 先日、サプライチェーン・調達部門に向けて、脱炭素に向けたオンライン講座を実施した。「日本として2050年にカーボンニュートラルを実現させる」と菅義偉首相が宣言したのは記憶に新しい。社会的に注目が集まる折、脱炭素について基礎講座として企画してみたわけだ。

 すると、通常のテーマのときの3倍もの人数が集まったから驚いた。講座の成果を宣伝したいわけではなく、本当に驚いた。そのオンライン講座終了後に受講者たちと話していると、「会社の中でほとんど温暖化ガスの排出算定に関与していないので参考になった」という意見が最も多かった。

 もちろん、ニーズがあると考えたから企画した。とはいえ、基礎編だ。受講者たちの所属企業はサプライチェーンや調達部門を有しているわけだから、かなり大手の企業だと考えてもらっていい。多くの参加者からは「算定方法すら知らなかった」と聞かされた。

 日本には温暖化ガス排出量の算定・報告・公表制度がある。これは「地球温暖化対策の推進に関する法律」(いわゆる「温対法」)が根拠になっている。一定の温暖化ガスを排出する事業者を対象とし、国が公表することになっている。

 だからサプライチェーン・調達部門の担当者なら、温暖化ガスの算定方法くらい当然習得済みだろう、と考えていた。しかし、参加者いわく「算定は、企画部門やコーポレートサステナビリティー(CSR:企業の社会的責任)部門などが、あくまでも概念として計算しているだけで、実務部門には下りてきていない」のが実情だという。

 なるほど、実務に即して現実の状況を把握したり、取引先と共に排出低減に向けて活動したりするのは、まだスタートラインにすら立っていないというわけだ。