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SDGsは、2015年9月の国連サミットで全会一致で採択された国際目標。(出所:国際連合広報センター)
SDGsは、2015年9月の国連サミットで全会一致で採択された国際目標。(出所:国際連合広報センター)
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 このところ、筆者の本業(サプライチェーン・コンサルティング)で会議をしたりWeb討議をしたりする休み時間に「そういえば、他社はSDGs(持続可能な開発目標)で何をやっているんですか」と聞かれる機会が増えた。さまざまな企業の企画部門がSDGsを考慮したメッセージを発している。しかし、それはあくまでメッセージでありはっきり固まったものとはいえず、現場のサプライチェーン部門が何らかの方針を定めるまでには至っていない。手探りというよりも、それ以前の状況が続く。

 調査によると、企業のうち4割が調達方針やサプライチェーンの方針にSDGsを盛り込んでいるという。その調査報告書は、4割しか盛り込んでいない、というニュアンスで書かれていた。しかし、筆者の感覚から言えば、4割という数字は大企業的というか、実態よりもむしろ大きいのではと感じる。

* 日本能率協会コンサルティング、日本能率協会総合研究所「ESG時代のサプライチェーンマネジメントに関する自主調査」、2021年7月19日発表
日本能率協会総合研究所の調査報告

 日本に約3800社ある上場企業であればまだしも、企業数の99%以上を占める中小企業と日常接している感じでは、ほとんどの企業はSDGsを考慮した調達方針などは外部に発信していない。中堅企業で「なんとかしなければいけない」と認識がやっと広がり始めた状況だ。

 ではなぜ、このように遅々とした状況なのか。それは、SDGsの大目標を具体的に実務に結び付けるのが難しいからだ。少なくとも方向性が分かれば、実務的な施策を思いつくかもしれない。

 そこで、日本中のサプライチェーン部門がSDGsに沿った施策を考えるきっかけとなるよう、今回はSDGsとサプライチェーンの大方針について述べておきたい。