中国武漢市発の「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)」が猛威を振るい、世界中の製造業が深刻な影響を受けている。日本と世界で今何が起き、どのような手を打つべきか。そして、今後、製造業はどのような方向に進むべきか。製造業が新型コロナ騒動を乗り越えるために役立つ記事を提供する。

新型コロナ、製造業の針路
目次
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日産がバルセロナ工場をリストラ、2021年末に閉鎖で合意
日産自動車は、スペイン・バルセロナ工場での生産を2021年末で終了する。2020年8月6日、同社現地法人のウェブサイト上で明かした。今期(2021年3月期)の連結最終損益で6700億円の赤字を見込む日産は、グローバルでの生産規模の見直しを急ピッチで進める。収益性の向上を目指す中で、稼働率が3割未満…
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トヨタの国内生産、「計画並みに回復」も残るコロナの脅威
トヨタ自動車の国内生産が新型コロナウイルスの影響前の水準まで回復してきた。同社は、2020年8月の生産台数を当初計画比の約97%にすると発表。6月は同約60%で推移していたが、7月には同約90%に達し、8月以降は計画並みに戻す。「世界の強い新車需要に伴っての回復」(トヨタ)としているが、国内外で感…
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「コネクテッドで先導」 攻めるMichelin、危機を好機に
日本ミシュランタイヤ社長 ポール・ペリニオ氏に聞く(下)
「コネクテッドモビリティーでリーダーを目指す」――。こう意気込むのは、タイヤ業界2強の一角、仏Michelin(ミシュラン)日本法人社長のPaul Perriniaux(ポール・ペリニオ)氏だ。「アフターコロナ」に向けた戦略を聞いた。
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トヨタの「V」字回復が鮮明、世界全工場を再開 南米も稼働
トヨタ自動車が約5カ月ぶりに世界の全工場の稼働を再開させる。新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、同社は中国を皮切りに世界26カ国の工場で稼働を止めてきた。今回、再開が遅れていた南米ベネズエラの工場を動かす。日本を含む複数カ国で生産調整を続けるものの、需要を見極めながらフル稼働を目指す。
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リアル回帰へ踏み出す中国ディスプレー産業のイベント最前線
アフターコロナのオンライン会議には8000超が参加
2020年5月18日に中国・固安県をベースとした「グローバルディスプレー産業春季業界動向発表会」がオンライン会議として開催された。8000人を超える多くの業界関係者が視聴した。
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「スマートシティーはパンクなし」、タイヤで固めるコロナ後の道
日本ミシュランタイヤ社長 ポール・ペリニオ氏に聞く(上)
新型コロナウイルスが世界で猛威を振るい、自動車産業は大打撃を受けている。新車需要の蒸発も懸念される中、比較的安定して収益を上げられるのがタイヤ業界だ。タイヤ業界2強の一角、フランスMichelin(ミシュラン)。その日本法人である日本ミシュランタイヤ社長のPaul Perriniaux(ポール・ペ…
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「コロナ前」目指すトヨタ、7月の国内工場は1割減産で調整
トヨタ自動車は、生産調整を続けていた国内工場の減産幅を縮小する。新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて、2020年6月は生産台数を計画比約4割減としてきたが、7月は約1割減にとどめる。政府は人の流れを止めていた「緊急事態宣言」を同年5月25日に解除し、同年6月19日には都道府県境をまたぐ移動自粛…
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液晶パネル世界首位が狙う感染防止需要、マスク姿でも瞬時に顔認証
「ピロン」――。ある平日の朝、スマートフォンに1件のメッセージが届いた。画面には「7時55分登校。体温36.5℃。マスク着用」とある。春から小学校に上がった娘の登校通知だ。どうやら、今日も何事もなく学校に着いたらしい。「これで安心して仕事に行けるな」。父親はこうつぶやいて会社に向かった。
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逆境下の先進技術開発、協業が鍵に 商用車2強のコロナ後
新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて世界的にクルマの需要が蒸発している。これは、トラックやバスなどの商用車も例外ではない。国内2強の日野自動車といすゞ自動車が発表した2020年3月期の決算、および2021年3月期の業績見通しは、その厳しい現状を映しだすものだった。ただ、両社は逆境下だからこそ、…
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コロナ後に加速する製造業でロボット導入、その本当の理由
この新型コロナウイルスは一体いつ終息するのか。世界保健機関(World Health Organization;WHO)関係者の中には、長期にわたって消滅することはないと考えている人もいるようだ。私もそう予想する。
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耐えるホンダに苦しむ日産、トヨタ1強どこまで
2020年3月期の自動車決算総括
2020年5月に国内自動車7社が発表した20年3月期決算。トヨタ自動車が他社を寄せ付けず、2位のホンダに営業利益で2兆円近い大差をつけて圧勝した。10年前、日産自動車を加えた3社間で大差はなかった。コロナショックで、実力差はさらに広がる可能性がある。「トヨタ1強時代」はどこまで続くのか。
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ダイキン十河社長が狙うコロナ後の商機、「6つの緊急策でV字回復」
守りと攻め、体質強化で新型コロナに立ち向かう
新型コロナウイルスの影響で快進撃を続けてきたダイキン工業が足止めを食らった。リーマン・ショック後の2010年度から続けてきた10期連続の増収・増益と7期連続の過去最高売上高(業績)が幻となった。この危機に同社は6つ緊急プロジェクトを立ち上げ、新型コロナウイルス問題の収束後に「ライバルに先んじて『V…
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マツダ、新型コロナ感染者の移送車両を広島県に提供 「CX-8」を改良
マツダは2020年6月5日、新型コロナウイルス(新型コロナ)感染者を移送する車両9台を、広島県に有償で提供した。
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在宅での開発・設計業務、快調な米国と遅い日本は何が違う?
新型コロナウイルスの影響で、製造業の開発・設計業務は在宅勤務などの「リモート対応」を余儀なくされた。ウィズコロナ/アフターコロナ時代の働き方やグローバル開発体制の在り方とはどのようなものなのか。CADなどの設計ツールを手掛ける米PTCの日本法人であるPTCジャパンのソリューション戦略企画室ディレク…
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パーソナルモビリティーと機動的物流、ヤマハ発社長が語るコロナ後の商機
「経費や投資支出の徹底的な削減を目指す」――。ヤマハ発動機の日髙祥博社長は、2020年5月29日にオンラインで開いた同年第1四半期(1~3月)の決算会見でこう表明した。新型コロナウイルスの感染拡大が世界の製造業へ打撃を与える中、ヤマハ発は不要不急の出費を減らして経営基盤を安定させる構えだ。
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利益ゼロか赤字か、重工3社の20年度は新型コロナ直撃
「事業利益はゼロ円」(三菱重工業)、「赤字の可能性がある」(川崎重工業)、「何とか黒字にできるように頑張る」(IHI)──。日本の重工業3社の2021年3月期(2020年度)の業績は、極めて厳しいものとなりそうだ。自動車業界などと並び、新型コロナウイルスの影響をまともに食らう業界と言える。
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CADのクラウド化、新型コロナで加速 設計業務の見直し必須に
新型コロナウイルスは、製造業の開発・設計業務に大きな影響を及ぼした。オフィスへの出勤や拠点間の移動にいまだ多くの制約がある中、各社はどう乗り切ろうとしているのか。そして、ウィズコロナ/アフターコロナにおける開発・設計業務はどうあるべきなのか。CADなどの設計ツールを手掛ける米オートデスク(Auto…
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トヨタ・ホンダ・日産の世界工場停止マップ、「緊急事態宣言」解除も続く生産調整
新型コロナウイルスによる影響が長期化し、世界の自動車工場では生産調整が続く。トヨタ自動車とホンダ、日産自動車の大手3社における工場の稼働状況をマッピングしたところ、世界的には稼働再開の動きが加速しているが、いまだに再稼働が見通せない国もあり、格差はより顕著化していることが分かった。「緊急事態宣言」…
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トヨタ、ソニーなど61社が異例の特許開放 きっかけは「一通のLINE」
「2人で暴走しませんか」。新型コロナウイルス対策の技術特許の無償開放を呼びかけるプロジェクトの始まりは日本でも新型コロナウイルス感染拡大が深刻化していた2020年4月2日、山崎氏がLINEで送った一通のメッセージだった。現在ではトヨタ自動車やソニーなど日本を代表する企業60社以上が集結し、特許の無…
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もう言い訳できない、個人依存の業務の解消 コロナ後に明確なリスクに
2020年5月25日、緊急事態宣言が全面的に解除された。だが、新型コロナウイルスの発生前に戻ることはなく、アフターコロナ(AC:After Corona)で、社会の価値観や働き方が大きく変わるだろう。