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 新型コロナウイルス(新型コロナ)感染者の搬送用に、ホンダの車両を導入する動きが広がってきた。

 2020年4月13日に導入した東京都の港区・渋谷区に続き、同年4月17日には同江東区と埼玉県、神奈川県が導入した。同日にはタクシー・ハイヤー事業者の日本交通(東京・千代田)が、ホンダの車両を使って感染者を搬送する業務を、東京都から受託したと発表した。

 新型コロナの感染拡大が続く中、“医療体制の崩壊”を防ぐため、症状が軽い感染者(軽症感染者)や症状が出ていない感染者(無症状感染者)を、医療機関からホテルなどの宿泊施設に移す取り組みが全国で始まった。

 その際に救急車を使うと、運転者など同乗者の感染防止対策が必要になる。また、救急車の出動能力には限りがあるため、感染者が増えると搬送に支障が出る恐れがある。

 新型コロナの治療に取り組む医療現場を支援するためにホンダが造った車両は、中型ミニバンの「オデッセイ」や「ステップワゴン」などを改良したものである。前席と後席の間に仕切り用のパネルを設置。前席の車内空間と後席の車内空間に圧力差を設けることで、感染者が乗る後席から前席へのウイルスの飛散を防ぐ(図1)。

改良車の車内
図1 改良車の車内
(出所:ホンダ)
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 港区と渋谷区はオデッセイの改良車をそれぞれ1台ずつ、江東区は両区と同じ車両を2台導入した。埼玉県は4台(ステップワゴンの改良車を3台、オデッセイの改良車を1台)、神奈川県は5台(ステップワゴンの改良車を3台、オデッセイの改良車を2台)を導入した。日本交通は当面、東京都における搬送業務を5台体制で運用する。

 ホンダは今後も感染者が多い地域への提供を行い、50台程度の提供を予定している。現在、車両は埼玉製作所の狭山工場で生産しているが、今後の状況を見て他の事業所での生産も検討するという。