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 「需要減少に不安を覚える」「海外からテストに使用する部品を調達できず、開発もままならない」──。日経クロステック/日経ものづくりが2020年3〜4月に実施したアンケート調査の自由記述からは、サプライチェーンの寸断の行く先に見える「開発ストップ」や「需要の減少」に不安を覚える声が目立った。2020年3月に世界保健機関(WHO)が「パンデミック」を宣言した「新型コロナウイルス感染症(COVID-19、以下新型コロナ)」。「コロナショック」に直面した製造業は今、どのような局面に立っているのか。アンケートの自由記述に寄せられた中から特に興味深い回答について、電子メールで追加取材。製造業の最前線に立つ経営者や設計者、製造・工場の現場に立つ作業者などの生の声を紹介する。

 新型コロナの流行は、世界の社会に経済に甚大な被害を与えている。製造業に与える影響も計り知れない。当初はサプライチェーンの寸断が不安視されていた。しかし今や問題はサプライチェーンの寸断にとどまらず、開発の中断や需要の減少などにまで拡大している。日経クロステック/日経ものづくりが2020年3〜4月に実施したアンケート調査の結果からは、そんな現場の不安が浮き彫りになった。

部品調達が困難な状況が浮き彫りに、「その他」の自由記入で目立った需要減少への不安
部品調達が困難な状況が浮き彫りに、「その他」の自由記入で目立った需要減少への不安
海外からの部品調達が困難になっている状況がうかがわれる。「その他」が26.0%と多いが、その自由記入では「顧客企業の先行き不透明からの買い控え(計画変更)」「経済の低迷化」など、需要の減少に言及する回答が目立った。Q「新型コロナの流行によって日本国内の拠点での生産に影響が出ているとすれば、それはどのようなものか」への回答結果。ニュース配信サービス「日経ものづくりNEWS」の読者を対象に、 アンケート用URLを告知した上で回答を依頼。2020年3月31日〜4月3日に実施し、318の回答を得た。(出所:日経ものづくり)
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 例えば、「現在直面しているサプライチェーンの課題はどのようなものか」という設問。回答は、海外からの部品調達が困難な状況に関するものが多かった。「中国から直接調達する部品が手に入りにくくなっている」との回答が36.3%で最も多く、「中国から間接的に調達する部品が手に入りにくくなっている」(35.0%)も3割を超える。「中国以外の海外から調達する部品が手に入りにくくなっている」(23.3%)も2割超だ。

 しかし、「その他」が26.0%と多いのが目を引く。その自由記入を見ると、顧客企業の先行き不透明からの買い控え(計画変更)」「経済の低迷化」など、需要の減少に言及する回答が目立った。

 新型コロナが今後の製造業に与える影響に関する自由記入には、「需要減少」に対する不安以外にも、さまざまな問題を指摘する声があった。例えば、開発テストに使用する部品が海外から届かないことによる「開発中断」。渡航禁止によって技術者を派遣できなくなったことによる遠隔指導の取り組みでの「顧客との信頼構築」など、製造の現場が直面する問題は多岐にわたっているようだ。