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 共に減収・減益だったソニーとパナソニックの2020年3月期連結決算。だが、両社の間には大きな差が見られた。ソニーはイメージセンサーなどの成長事業を擁するのに対し、パナソニックにそうしたけん引役は見当たらないからだ。近年はソニーが業績でパナソニックを上回ってきたが、新型コロナウイルスの影響が本格化する今期(21年3月期)はこの差がさらに拡大するかもしれない。成長に向けて歩み出せるか。パナソニックは正念場を迎えている。

 20年3月期連結決算を比較すると、ソニーは売上高が前期比4.7%減の8兆2598億円、営業利益が同5.5%減の8454億円、パナソニックは売上高が同6.4%減の7兆4906億円、営業利益が同28.6%減の2937億円だった。パナソニックの営業利益の減少幅は大きいが、一時的影響を除いた調整後営業利益は同12.3%減にとどまった。全社業績が減収・減益という点では両社は同じだ。

ソニーとパナソニックの20年3月期連結決算
( )内は前期比の増減率。△は減少。
 
ソニーパナソニック
売上高8兆2598億円
(△4.7%)
7兆4906億円
(△6.4%)
営業利益8454億円
(△5.5%)
2937億円
(△28.6%)
(調整後営業利益) 2867億円
(△12.3%)
純利益5821億円
(△36.5%)
2257億円
(△20.6%)

 ところが、事業セグメント別に見ると様相が異なる。ソニーは6部門中4部門が増収、そのうち映画およびイメージング&センシング・ソリューション(I&SS)の2部門が増収・営業増益だった。一方で、パナソニックは5部門全てが減収に終わったのだ。額面通りに解釈すれば、成長している事業がないということになる。

ソニーの20年3月期における事業セグメント別売上高
( )内は前期比の増減率。△は減少。
ゲーム&ネットワークサービス
(G&NS)
1兆9197億円
(△13.7%)
音楽8385億円
(5.5%)
映画1兆107億円
(2.6%)
エレクトロニクス・プロダクツ&ソリューション
(EP&S)
1兆9698億円
(△14.5%)
イメージング&センシング・ソリューション
(I&SS)
9852億円
(27.9%)
金融1兆2998億円
(2.0%)
パナソニックの20年3月期における事業セグメント別売上高
( )内は前期比の増減率。△は減少。
アプライアンス2兆5926億円
(△5.7%)
ライフソリューションズ1兆9125億円
(△6.1%)
コネクティッドソリューションズ1兆357億円
(△8.2%)
オートモーティブ1兆4824億円
(△2.7%)
インダストリアルソリューションズ1兆2827億円
(△9.8%)

 ソニーの場合、減収の2部門のうちゲーム&ネットワークサービス(G&NS)についてはゲーム機の世代交代に伴う販売減によるところが大きい。20年の年末商戦は次世代機「PlayStation 5(PS5)」の投入を計画しており、巻き返しを見込む。それ以外の事業も新型コロナの影響自体は必至だが、もともと勢いのあったものが多い。