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 国内携帯大手3社の2020年3月期連結決算(国際会計基準)は、NTTドコモが減益、KDDIとソフトバンクは過去最高益を更新と、3社で明暗を分けた。足元では新型コロナウイルスの感染拡大が、各社の成長軸である非通信分野や5G(第5世代移動通信システム)に影を落としている。今回、独り負けとなったドコモが、コロナ禍でどう巻き返すのかが焦点になりそうだ。

非通信と法人伸ばしたソフトバンクとKDDI、今期も増益宣言

 コロナ禍にもかかわらず、国内携帯大手3社で特に成長への自信を見せたのがソフトバンクだ。同社の宮内謙社長兼CEO(最高経営責任者)は2020年5月11日にオンラインで実施した決算説明会で「20年3月期は全ての事業セグメントで増益となった。新型コロナウイルスによる通信事業への影響は軽微。21年3月期決算も増収増益を目指す」と力を込めた。

ソフトバンクのセグメント別営業利益
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ソフトバンクのセグメント別営業利益
ソフトバンクの公開資料を基に日経クロステックが作成。

 携帯各社の利益の大半を稼いできた一般消費者向けの携帯電話事業は、市場の成熟でもはや大きな成長を見込めなくなっている。各社はコンテンツや金融・決済などの非通信分野、5Gを生かせる法人分野に成長軸をシフトしている。

 ソフトバンクは、その非通信と法人の両分野で成長を遂げた。同社は19年6月にZホールディングス(旧ヤフー)を子会社化したことで、EC(電子商取引)やネット広告事業など非通信分野を一気に広げた。これら非通信分野(ヤフー事業)の営業利益は前年比12%増となる1523億円となった。法人事業も好調だ。セキュリティーやIoT(Internet of Things)向けソリューションがけん引し、同事業の営業利益は前年比10%増の836億円に拡大した。

KDDIのセグメント別営業利益
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KDDIのセグメント別営業利益
KDDIの公開資料を基に日経クロステックが作成。

 KDDIも非通信と法人分野で二桁成長するなど増益を維持した。非通信分野に当たるライフスタイル領域の営業利益は、電力やコンテンツ事業が好調で前年比22%増となる1800億円となった。法人事業の営業利益も同21%増となる1475億円に拡大している。同社の高橋誠社長は20年5月14日に開催したオンライン会見で「新型コロナウイルスはマイナスのインパクトも大きいが、何とかプラスに持っていきたい」と説明。21年3月期の業績予想も前期とほぼ同水準の増収増益を目指すとした。