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 新型コロナウイルスによる影響は長期化しており、世界の自動車工場では生産調整が続いている。トヨタ自動車とホンダ、日産自動車の大手3社における工場の稼働状況をマッピングしたところ、世界的に稼働再開の動きが加速しているものの、いまだに再稼働が見通せない国もあり、格差はより顕著になっていることが分かった。「緊急事態宣言」が全国で解除された日本においても、新型コロナのリスクは依然として残る(情報は2020年5月29日時点)。

北米と南米

北米と南米の工場の稼働停止状況
北米と南米の工場の稼働停止状況
(作成:日経クロステック)
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 トヨタとホンダは北米での生産再開を果たしている。残る日産は、6月1日から米国工場を段階的に再稼働させる。日産のメキシコ工場は再稼働の日程が固まってはいないが、同社の現地発表によれば「徐々に再開に向けて動いている」という。

 北米で最大の市場であり製造国でもある米国。同国の感染者数は174万人に上り、死者数は10万人を超えている(5月29日時点)。予断を許さぬ状況が続くが、経済や雇用などへの影響を考慮して、早めの工場再開に踏み切っている。

 ここにきて感染者数が急増しているのが南米ブラジルだ。同国の感染者数は46万人で、米国に次ぐ世界2位に躍り出た。死者数は2万7000人に達している(5月29日時点)。ブラジルでは、日産が5月下旬にいち早く稼働を再開した模様だ。トヨタやホンダは「状況を見極める」とし、6月下旬の再開を見込む。