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ディスプレー産業をけん引するさまざまな業界組織が連携

 この会議では、韓国ディスプレー産業協会、国際半導体製造装置材料協会(SEMI)、中国電子視像行業協会、中国電子材料行業協会、中国OLED産業連盟、中国光学光電子行業協会液晶分会の各業界組織の代表による講演があった。新型コロナウイルスの感染拡大によるディスプレー業界への影響をそれぞれの立場で分析し、今後の業界の方向性を示すものであった。このうち最後の講演者である中国光学光電子行業協会液晶分会副秘書長の胡春明氏の講演「コロナ後のディスプレー業界の方向」は中国ディスプレー産業の現状を的確に表現していた(図2)。

図2 中国ディスプレー産業の現状を示す胡春明副秘書長の講演内容
図2 中国ディスプレー産業の現状を示す胡春明副秘書長の講演内容
新型コロナウイルス禍による影響度合いの分析と、今後のビジネスチャンスについて述べた。胡副秘書長の講演資料から抜粋。
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 胡副秘書長の講演によると、新型コロナの直接的な影響は、最終製品への影響がデバイスや材料よりも大きく、既存製品市場への影響が新興市場よりも大きく、ハードウエアへの影響がソフトウエアよりも大きかった。世界のディスプレーパネル生産への影響は前年比で10%以下であり、中国では前年同期比で約2%の減少にとどまるなど、損失の程度は海外の企業よりも小さかった。ちなみに世界全体でみた2020年ディスプレー応用製品の販売規模は前年比12.3%減、ディスプレーパネル産業としては同2%減になると予想されている。

 新型コロナの感染拡大による不確実性は、世界経済に大きな打撃を与えていることは確かだが、同時にこれまでにないチャンスをも生み出している。ディスプレー産業のクラスター化の促進が、不確実なリスクへの対策として有効であり、コロナ後の強い財務力と市場の大きさを持つ中国本土は、今後もグローバルなディスプレー関連企業を誘致し、ディスプレー産業の発展に新たな機会をもたらすだろう。

 この前提で、胡副秘書長は中国企業と中国政府へ2つの提言があるとした。1つは、中国企業は自社の優位性を最大限に発揮し、研究開発に必要な投資を維持することで、印刷有機ELやマイクロLEDなどの技術開発を拡大すべきだという提言だった。もう1つは、中国政府が引き続きディスプレー産業を支援し、市場における競争力とそれによる地位を確固たるものにすべく、主な中核企業の育成に焦点を当て、産業、大学、研究所との連携を積極的に促進することを奨励した。

 この他の講演としては、中国電子視像行業協会の彭健锋副秘書長はテレビ市場に関して、中国電子材料行業協会の鲁瑾副秘書長は今後成長していく中国の部品材料業界の状況と新市場に関して、中国OLED産業連盟の耿怡副秘書長はこれから成長してくる折り畳みスマホやマイクロOLEDに関して、それぞれの期待と今後の取り組むべき課題などについて語った。