トヨタ自動車の国内生産が新型コロナウイルスの影響前の水準にまで回復してきた。同社は、2020年8月の生産台数を当初計画比の約97%にすると発表。6月は同約60%で推移していたが、7月には同約90%に達し、8月以降は計画並みに戻す。「世界の強い新車需要に伴っての回復」(トヨタ)。ただ、国内外で感染に収束の兆しが見えず、依然リスクは残る。
8月 | 7月 | 6月 | |
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生産台数 当初計画比 | 約97% (ほぼ計画並み) | 約90% | 約60% |
稼働停止日 | なし | 3工場6ライン (延べ16日分停止) | 14工場25ライン (延べ133日分停止) |
1直化 | 1工場1ライン | 2工場3ライン | 3工場5ライン |
休日出勤 | 2工場3ライン (延べ6日分出勤) | 3工場4ライン (延べ13日分出勤) | 2工場3ライン (延べ12日分出勤) |
トヨタは関連会社を含めて国内に全15工場28ラインを展開しており、これまで世界的な新車需要の減少に応じてラインを止めて減産を進めてきた。これに対し、8月以降は原則、全工場で稼働停止日を設けない。ただし、マイクロバス「コースター」を生産する岐阜車体工業の第2ラインのみ、5~10月の期間は1直化して生産調整を図る。
トヨタの好調な生産台数増を支えてきた従業員の休日出勤は、2工場3ラインで実施する。1ライン当たり1日の出勤で“1日分”と換算すると、8月は延べ6日分の休日出勤を予定する。
対象とするのは、高級車ブランド「レクサス」シリーズの「UX」や「CT」、「NX」を生産するトヨタ自動車九州の第1ライン。同シリーズの「ES」や「RX」を生産する同工場第2ラインである。加えて、バン「プロボックス」を生産するダイハツ工場の京都工場でも1日間の休日出勤日を設ける。