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 前回まで、自動車メーカーの新規事業の方向性と取り組まなければならない課題をみてきた。

 自動車業界を取り巻く変化は、自動車メーカーのみならず産業バリューチェーン全体に影響を与える。特に部品メーカーは、国内産業規模が自動車メーカーと比較しても大きく(図1)、その動向は無視できない。また新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響が今後数年でどこまで広がるのか、現時点で確かなことはいえない。しかし、このまま市場の縮小圧力が続けば、規模や事業領域が限られる部品メーカーへのインパクトはより大きくなり、事業の将来性に疑問を持たれた企業は市場からの撤退を余儀なくされるだろう。

 以上を踏まえ、これから2回にわたりモビリティー革命が部品メーカーに与える影響と、それに対して部品メーカーが今からなすべきことを論じたい。本稿では、部品メーカーの中でも、自動車メーカーと並んでグローバル展開しており、モビリティー革命の荒波を真っ先に受ける1次部品メーカー(ティア1)を中心とする大規模企業に焦点をおく。

図1 部品メーカーの業績悪化のインパクトは、自動車メーカーのそれを上回る
図1 部品メーカーの業績悪化のインパクトは、自動車メーカーのそれを上回る
(デロイト トーマツが作成)
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