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 住友生命保険では現在、「保険DXプロジェクト」を推進している。同社の健康増進型保険「Vitality(バイタリティー)」開発をきっかけにしてDX型システム人材(DX人材)の大量確保が必要になった。創業110年を超え、お世辞にもデジタルに強いとはいえなかった生命保険会社がどのようにしてDX人材を育てていったのか。DX人材になるための前提とは何か。その鍵は「頭の柔らかさ」にあった。

 住友生命保険は2018年7月、健康増進型保険「Vitality」を発売した。Vitalityは、健康診断や検診、歩数など日々の取り組みに応じて加入者にポイントを付与し、そのポイントを基に保険料を割り引く保険商品だ。顧客の健康活動への行動変容を促す「DX型保険商品」と位置づけられる。

 Vitalityは、今までの生命保険で課題だった「顧客との接点の少なさ」を抜本的に改善できるものとして開発された。一度購入した顧客とその後接点が限られていた従来商品との最大の違いが、ビッグデータ活用によって初めて可能になる「ポイント制」だ。ポイント付与により顧客に健康への取り組みを恒常的に促すことで、顧客と何度も接点を持つことができる。

 Vitality発売後の2019年に保険DXプロジェクトをスタート。Vitalityで得られる知見やデータ(ライフログデータや運動データ)、顧客の声を生かし、トータルで顧客の生活をさらに向上させるサポートサービスや新しい価値を持つ保険を実現していくことを念頭に組織された。

Vitalityの加入者向けアプリ画面。健康増進機能として獲得ポイント制や、健康状態のステータスに応じた保険料変動や割引購入特典(左)、一定期間で基準歩数に到達するとプレゼントが当たるルーレットなどの情報(右)を提示
Vitalityの加入者向けアプリ画面。健康増進機能として獲得ポイント制や、健康状態のステータスに応じた保険料変動や割引購入特典(左)、一定期間で基準歩数に到達するとプレゼントが当たるルーレットなどの情報(右)を提示
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 開発を通して、レガシーシステムとDX型システムの違い、レガシーシステム人材(レガシー人材)とDX人材がそれぞれの持つ資質、知識、能力などの違いを知ることができた。レガシー人材とDX人材の評価法の確立、それぞれの特質を生かして開発に取り組むための研修実施法にも知恵を絞った。