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 住友生命保険では現在、DX型システム人材(DX人材)の育成に力を入れている。育成においては、主にレガシーシステムを担当してきた人材のスキルチェンジも大きな課題の1つだ。彼らが持つDXに必要な資質や要素とは何かを解説する。その上で、潜在的DX人材の評価法(アセスメント)や、DX人材になるための研修の1つ「マインドセット研修」を紹介しよう。

 結論から言うと、レガシー人材こそDXに向く。エンジニア不足はレガシー人材をDX人材に転換することで解消すると筆者は考えている。

 レガシーシステム人材をDX人材に転換することは、とても効果的だ。これまでの開発で培った業務知識、プロジェクト管理能力を生かした上で、新しいことも貪欲に吸収するマインドがあれば良いDX人材になると確信し、これまで住友生命保険では配置転換も含めて30人以上をDXプロジェクトに投入してきた。

DX人材に向く人、向かない人

 住友生命保険では2016~18年にかけて健康増進型保険「Vitality」を開発した。Vitalityは典型的なDX型保険商品であり、この商品の開発は、長い間レガシーシステムを開発・保守してきた社内環境を一変させた。

 Vitalityを構築するために急遽(きゅうきょ)グループ会社で新しいことに対応できそうな人を集め、試行錯誤しながらDX型のシステムを開発せざるを得なかった筆者が強く感じたのは、DX型プロジェクトに「向く」人間と「向かない」人間がいるということだ。

 DX型プロジェクトでは年齢に関係なく頭の柔らかい人、または、固い頭を柔らかくできる人がDXに必要な新しい知識や経験、社外事例などをどんどん吸収してDX人材に成長する。とはいえ、ここで興味深いのは、誰でも同じように頭を柔らかくできるわけではなく、資質やこれまでの仕事内容、環境などに影響され、成長の度合いやスピードに差があるということだ。

 例えば、資質面では「新奇性資質」が大きく影響する。新しいものや珍しいものを好む気質を指す。新奇性資質を持つ人は、新しい価値を創造するDX型プロジェクトが苦にならない。これがDXに向く人だ。

 一方、新奇性資質の性向が高くない人は、新しいことが苦手なので、DX型プロジェクトで苦労する。ただ、だからといってDX型プロジェクトでまったく活躍できないわけではなく、なじむのに時間がかかるというだけだ。