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「トヨタ流人づくり 実践編 あなたの悩みに答えます」では、日本メーカーの管理者が抱える悩みに関して、トヨタ自動車流の解決方法を回答します。回答者は、同社で長年生産技術部門の管理者として多数のメンバーを導き、その後、全社を対象とする人材育成業務にも携わった経歴を持つ肌附安明氏。自身の経験はもちろん、優れた管理手腕を発揮した他の管理者の事例を盛り込みながら、トヨタ流のマネジメント方法を紹介します。
悩み

自動車部品メーカーの工場で管理者として働いています。新型コロナウイルス感染症の影響を受け、海外からの部品や材料の納入が不安定になりました。たまたま在庫を多めに持っており、自動車メーカーが減産している状況もあって、欠品は当面免れそうです。しかし、今回の事態を受けて経営陣から災害対策の強化を図るように指示されました。注意すべき点を教えてください。

編集部:新型コロナは依然、世界中で猛威を振るっています。米ジョンズ・ホプキンス大の集計によると2020年4月17日に感染者数が215万人を突破しました。中でも、欧米が深刻です。日本の自動車メーカーに取材すると、「欧米市場は、とてもクルマを売れる状況にはない」と嘆いていました。トヨタ自動車も「消費マインドの冷え込みをとても心配している」と言っています。

肌附氏—都市封鎖(ロックダウン)や外出禁止令の発令で、そもそも販売店が開いていない街が多いのですから当然です。正直、トヨタ自動車も今はお手上げ状態といってよいでしょう。

 もはや、いち企業の努力で解決できるレベルを超えてしまっています。なにしろ、世界中の医療関係者が束になっても新型コロナの終息については先が見通せないのですから。残念ながら、これからは倒産を余儀なくされる企業が増えると思います。体力のない企業からそうなっていくでしょう。

編集部:新型コロナについては、さすがのトヨタ自動車も打つ手なし、でしょうか。

肌附氏—人の移動や企業の営業・操業の規制といった各国の政策の影響を受ける消費者心理の冷え込みについては、トヨタ自動車に限らず企業側では制御しようがありません。もちろん無策ではなく、部品メーカーや販売会社・関連会社、その取引先などで金融支援が必要になる事態に備えて、1兆円の銀行融資枠(コミットメントライン)を銀行に要請するといった施策もトヨタ自動車は講じています。

編集部:財務面以外で、日本企業は災害に備えてどんな対策を施すべきでしょうか。