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 横河電機がデータを基に意思決定を下す「データドリブン(駆動)カルチャー」の醸成に力を注いでいる。データ分析が可能な人材を2021年にグループ従業員の2割超に相当する4000人に増やす目標を掲げる。事業部門がデータ分析の一連のサイクルを自立して回せるようにして、データから解決策を自ら見いだす体制作りを急ぐ。海外拠点から人材育成を始めており、徐々に成果が見えてきた。

 「アフターコロナを見据えて、価格などの傾向をマシンラーニング(機械学習)で分析し、対策を練る取り組みを検討している」。横河電機の山下純子氏(デジタル戦略本部グローバルアプリケーション・データマネジメントセンター戦略システムソリューション部VDA推進リーダー)はこう明かす。

 横河電機は2020年度までの3カ年の中期経営計画の中核にデジタルトランスフォーメーション(DX)を据えている。DXで4つの柱を掲げており、そのうちの1つが「データドリブンカルチャーの醸成」だ。事業部門の従業員がデータ分析ツールを使いこなし、ビジネス上の課題に対する解決策を自ら見いだすことを目指す。

横河電機は米タブローソフトウエアのデータ分析ツールを使う
横河電機は米タブローソフトウエアのデータ分析ツールを使う
(出所:横河電機)

 そのため、2017年秋に米タブローソフトウエア(Tableau Software)のデータ分析ツールを試験導入し、2018年秋から本格展開を始めた。既に社内のタブロー登録利用者数は2500人を超えており、2020年に3500人、2021年にグループ従業員の2割超に相当する4000人まで増やす計画だ。

 データ分析ツールの展開と歩調を合わせるように、各拠点にデータ分析のスキルとノウハウを備えた「VDA(バーチャル・データ・アナリスト)」を育成。VDAの社内コミュニティーも組織し、タブローを駆使した会議を推進したり、拠点をまたいでデータ分析の成功事例を共有したりしている。