自動運転システムごとに定めた使用条件(走行環境条件)下において、運転行為をシステム側に委ねることができる自動運転レベル3。システム側からの引き継ぎ要求があれば、運転者は運転行為に復帰しなければならないが、自動運転中は非運転行為を行うことが可能になる。そんなレベル3が2020年4月1日、日本でついに解禁となった。国際的にも基準化の前段階とされる提案書の完成までこぎつけている。2020~21年には最初のレベル3対応車が市場投入される見通し。高速道路での同一車線内の低速走行が、まずはレベル3の対象になりそうだ。

特集
自動運転時代、ついに幕開け
出典:日経Automotive、2020年6月号 pp.42-61 特集「自動運転 レベル3解禁」
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目次
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ホンダは20年内に自動運転レベル3対応技術、レベル未公表のトヨタも有力
自動運転レベル3の実用化に向けた自動車メーカーの動向として、前回はドイツ・ダイムラー(Daimler)、同BMWの取り組みを紹介した。今回は、ホンダやトヨタ自動車など他の自動車メーカー、および自動車部品メーカーの動きを見ていく。ホンダは2020年内のレベル3対応技術の実用化を狙う。
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自動運転レベル3対応車、20年代初頭のダイムラー、21年のBMW
自動運転レベル3の解禁が国際的にも近づく中、幾つかの自動車メーカーは、その実用化に向けた取り組みを加速させつつある。意欲的なのは、ドイツ・ダイムラー(Daimler)、同BMW、ホンダ、中国・重慶長安汽車だ。高速道路の渋滞時の同一車線内低速走行から段階的に高度化していく。今回は、DaimlerとB…
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自動運転中も運転者に安全義務、過渡期を意識した“妥協策”
自動運転レベル3の技術にはまだ、高い信頼を寄せるだけの十分な実績がない。そのため、今回の法整備は技術の進化過程という過渡期を意識したものになった。周辺監視はシステムに任せて携帯電話の使用などを許容する一方で、安全運行義務は運転者に残す。高速道路の同一車線低速走行に限って詳細な基準を規定し実質的に適…
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日本で自動運転レベル3が解禁、いざ高速道路へ
型式認証を受けた市販のレベル3の自動運転車が日本の公道を走ることが認められた。だが同自動運転は、実質的には乗用車による、高速道路での同一車線内の低速走行に限定される格好だ。注意が必要なのは、レベル3による自動運転中でも運転者に安全運行義務が課される点。さらに、自動運転に関わる作動状態記録装置に記録…