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 2020年4月30日の20年度補正予算成立で、「持続化給付金」ほか国などの新型コロナウイルス感染症対策が本格的に始動し始めた。緊急事態宣言からおよそ1カ月が過ぎ、建設現場への影響も広がっている。融資制度や助成制度、税制ほか、資金繰りに苦慮する中小住宅会社や工務店が使える特例措置は?――。5月7日時点で公表されているなかから、活用できそうなメニューを拾い出した。こうした特例措置は、大きく「融資」「給付や助成」「税や社会保障料」に分かれている。

組み合わせると融資が「無利子」に

 まず融資に関する制度は、おおまかに次の3種類。「民間金融機関の信用保証付き融資」「政府系金融機関の融資」「中小企業基盤整備機構の融資」だ。このうち民間金融機関の信用保証付き融資と政府系金融機関の融資は、保証対象の拡大や金利引き下げを施したほか、保証料や利子を減免・補助する制度と組み合わせることで、条件によっては担保なしで実質的な無利子化を図れるようにしている。

〔図1〕融資関連1(民間金融機関の信用保証付き融資)
〔図1〕融資関連1(民間金融機関の信用保証付き融資)
信用保証に特別枠(セーフティネット保証4号、同5号、危機関連保証)を用意。都道府県などによる融資制度を活用した民間金融機関の融資との組み合わせで「実質無利子・無担保・据え置き最大5年」が可能。保証料は半額またはゼロに。セーフティネット保証4号・5号と危機関連保証は併用可能(最大5.6億円)。またセーフティネット保証4号・5号と危機関連保証は一般保証枠とも併用可能(最大8.4億円)だが、保証料と利子の減免はセーフティネット保証4号・5号と危機関連保証のみ(資料:経済産業省、厚生労働省などの資料を基に日経クロステックが作成)
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 民間金融機関の信用保証では、新型コロナ感染症対策に関連して「セーフティネット保証4号」「同5号」「危機関連保証」が用意されている〔図1〕。セーフティネット4号はもともと「幅広い業種で影響が生じている地域」を対象に発動するが、今回は3月2日に指定地域を全国へ拡大した。同5号は「特に重大な影響が生じている業種」を対象とするもので、一般の建設業を含む。危機関連保証は、全国の全業種を対象とする。つまり、どの地域の工務店もこれら3種類の信用保証を利用できる。

 いずれの信用保証も、新型コロナウイルス感染症の影響により前年同月比の売上高が一定以上減少していることが利用要件になる。対象となる減少率が少ない方から順に、セーフティネット5号で「5%以上減」、危機関連保証で「15%以上減」、セーフティネット4号で「20%以上減」がそれぞれ利用要件になる。

 これらの信用保証を用いて融資を利用した場合、3000万円の融資まで保証料と利子を減免できる。売上高などが前年同月比15%以上減の中小事業者と前年同月比5%以上減の個人事業主は、いずれも保証料と金利がゼロとなる。

 これら3種類の信用保証は併用可能。ただしセーフティネット4号・5号は併用しても限度額などの枠は同じだ。セーフティネット4号・5号と危機関連保証を併用すると限度額は倍になる。また、3種類の信用保証と一般枠の信用保証の併用も可能だが、保証料と利子を減免できるのはセーフティネット保証4号・5号と危機関連保証だけだ。

〔図2〕融資関連2(日本政策金融公庫など政府系金融機関の融資)
〔図2〕融資関連2(日本政策金融公庫など政府系金融機関の融資)
新型コロナウイルス感染症特別貸付、新型コロナウイルス対策小規模事業者経営改善資金融資(マル経融資)、危機対応融資では、設備資金と運転資金への融資に対して一律0.9%利下げ。特別利子補給制度と組み合わせれば、「実質無利子・無担保・据え置き最大5年」が可能(資料:経済産業省、日本政策金融公庫、商工組合中央金庫などの資料を基に日経クロステックが作成)
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 日本政策金融公庫(日本公庫)や商工組合中央金庫(商工中金)といった政府系金融機関の融資のうち、実質無利子になる制度は3種類ある〔図2〕。日本公庫などが実施する「新型コロナウイルス感染症特別貸付」と「新型コロナウイルス対策小規模事業者経営改善資金融資」(マル経融資)、商工中金の「危機対応融資」だ。いずれも無担保で、金利を0.9%引き下げる。

 これら3種類の融資に「特別利子補給制度」を組み合わせると、実質的に無利子になる。なお、それぞれの融資は最近1カ月の売上高が前年または前々年同期比5%以上減の場合が対象であるのに対し、特別利子補給制度の利用はハードルが高くなる。従業員20人以下の小規模事業者は同15%減、それ以外の中小企業者は同20%減が、それぞれ利子補給の要件となる。

 ほかに政府系金融機関の融資では、既存の「経営環境変化対応資金」(セーフティネット貸付)で対象の要件が広がった。従来は数値要件を定めていたが、数値にかかわらず「今後の影響が見込まれる業者」も対象に加わった。金利の引き下げや利子補給はない。

〔図3〕融資関連3(中小企業基盤整備機構による小規模企業共済制度の融資)
〔図3〕融資関連3(中小企業基盤整備機構による小規模企業共済制度の融資)
(資料:経済産業省、中小企業基盤整備機構などの資料を基に日経クロステックが作成)
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 中小企業基盤整備機構の「特定緊急経営安定貸付」〔図3〕は、小規模企業共済の契約者であることが条件になる。政府系金融機関の融資と同様、最近1カ月の売上高が前年または前々年同期比5%以上減である場合が対象で、担保も必要ない。貸付2000万円を上限に無利子とする。このほか、延滞利子の1年間免除、掛け金の納付の期限延長や減額なども実施する。