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 検証で利用したWi-Fi 6対応ノートパソコンは、マウスコンピューターの「mouse X5」である。CPUにCore i7-10510Uを採用し、15.6型ワイド液晶を搭載した最新モデルで、米インテル(Intel)のWi-Fi 6対応無線LANモジュールを内蔵する。WRC-X3000GSもインテルのWi-Fi 6対応チップセットを搭載しており、接続の相性という観点で不安の少ない組み合わせだ。

Wi-Fi 6に対応する無線LANモジュールを内蔵するマウスコンピューターの「mouse X5」
Wi-Fi 6に対応する無線LANモジュールを内蔵するマウスコンピューターの「mouse X5」
(撮影:竹内 亮介)
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 検証環境として、家庭内LANに接続した自作デスクトップパソコンを用意した。このパソコンに接続した2.5インチSSD上のフォルダに、mouse X5からWi-Fi 6経由(WRC-X3000GS)およびWi-Fi 5経由(米ネットギアのNighthawk X6S R8000P)の2通りで接続し、それぞれのデータ連続読み出し性能と書き込み性能をひよひよ氏の「CrystalDiskMark」で測定した。このほか比較対象として、WRC-X3000GSが搭載するギガビットイーサネットのポートに接続した有線LAN経由の測定結果も加えている。

各接続状況ごとの転送速度の違いをグラフにした
各接続状況ごとの転送速度の違いをグラフにした
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 これを見ると、おおむねWi-Fi 6と有線LANがほぼ同じ速度で通信していると分かる。Wi-Fi 5よりはかなり速いという結果になった。

Wi-Fi 4からの移行であればインパクト抜群

 今回の検証に用いた自作デスクトップパソコンの有線LANポートは、ギガビットイーサネットに対応する。そのため有線LANの通信速度は1Gビット/秒までに制限される点に注意してほしい。WRC-X3000GSやmouse X5が搭載する無線LAN機能がサポートする最大2402Mビット/秒をおそらく生かし切れていないのは事実である。例えばデスクトップパソコンとブロードバンドルーターの双方が10Gビット/秒のイーサネット(10GbE)のポートを有していれば、もっと高い数値になった可能性がある。

 とは言え今回の検証環境は、一般的なホームユーザーや中小企業で導入されているギガビットイーサネット対応のネットワーク環境に合わせて設定している。そうした環境では、今回のテスト結果に近い状況になるはずだ。

 Wi-Fi 5からWi-Fi 6に環境を入れ替えたとしても、速度的に劇的な変化は感じられないかもしれない。ただし現状の無線LAN環境がWi-Fi 4までしか対応していないのであれば、ギガビットイーサネット対応の有線LANと同じようなスピードでファイルをやり取りできるという点でメリットは大きい。Wi-Fi 6対応のスマートフォンやノートパソコンを導入するなら、それに合わせてWi-Fi 6対応の環境に刷新するのもお勧めだ。

 また同時接続時の安定性の向上は、家庭やオフィスで増える一方の無線LAN対応機器の使い勝手を、大きく高めてくれるのは間違いない。Wi-Fi 5からの移行でも、メリットを得られる場合がある。

竹内 亮介(たけうち りょうすけ)
毎日コミュニケーションズ、日経ホーム出版社、日経BP社などを経てテクニカルライターとして独立。PC、モバイル、家電などのIT機器の評価記事や解説記事を新聞、専門誌やオンラインメディアに執筆している。