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各界のキーパーソンに新型コロナウイルスの影響や、新しい社会へのヒントを聞く「私たちの『アフターコロナ』」。連合の神津会長は「不安定な働き方の矛盾があらわになった」と指摘し、雇用や生活保障のセーフティーネットを早急に整備する必要があると説く。(インタビューは4月16日に実施した。聞き手は島津 翔=日経クロステック、谷川 博=日経クロステック/日経コンストラクション)

 新型コロナウイルスの脅威は根深く、そう簡単には終わらないでしょう。非常に厄介なウイルスです。無症状や軽症の人が多い一方で、重症化したり亡くなったりするケースも相当数に上る。

神津 里季生(こうづ・りきお)氏
神津 里季生(こうづ・りきお)氏
日本労働組合総連合会(連合)会長 。1956年生まれ。新日鉄労連会長、基幹労連中央執行委員長を経て、2013年連合事務局長。15年から現職(写真:吉成 大輔)

 感染したら、誰もが発病し重症に陥る――。そのようなウイルスなら、ある意味、分かりやすい。罹患した人には直ちに治療を施し、感染源を隔離すれば、その他の世界は通常通り回ります。

 しかし、新型コロナはそうではない。無症状や軽症の人を介して、じわじわ忍び寄り、いつの間にか人体を侵す。そのため、社会全体が活動を自粛しなければなりません。

 収束させるには、最終的にワクチンが開発されて、インフルエンザなど他の感染症と同様に、全国民が予防接種を受けられる環境にならなければいけないでしょう。ただ、医療の専門家によると、そうなるまでにはかなりの時間がかかるようです。

 対策は長期化し、当初は「異常事態」と思われていたことが常態化する。コロナ後に、「すっきり元の世界に戻る」ということにはならないでしょう。

 コロナ禍が長期化する過程で、社会の「遠隔化」や「非接触化」が進み、企業ではリモートワークを導入する動きが相次いでいます。コロナ禍で一気に普及しそうな勢いです。

 ただ、それができる職種とできない職種がある。向いている人と向いていない人もいる。新しい働き方が広がるのはよいことですが、そうした問題への目配りも忘れてはなりません。重要なのは、人間中心の考え方です。