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 各界のキーパーソンに新型コロナウイルスの影響や、新しい社会へのヒントを聞く「私たちの『アフターコロナ』」。人気投資信託「ひふみ」シリーズを運用するレオス・キャピタルワークスの藤野社長は、「リモートワークへの対応で企業の競争力に差が出る」と指摘。DX(デジタルトランスフォーメーション)の意識が乏しい企業は投資対象から外すと明言する。(インタビューは4月27日にオンラインにて実施した。聞き手は島津 翔=日経クロステック)

 世界中の投資家が参加している株式市場は通常、先を読み間違えることはあまりありません。しかし、新型コロナウイルスについては当初、米国市場を中心に、その影響を過小評価していた可能性が高いとみています。

 パンデミック(世界的大流行)が始まる直前、2020年2月中旬まで、米国市場は史上最高値を更新していました。欧米諸国では、まだ感染例が少なかったこともあり、新型コロナをアジアの風土病のように捉える向きがありました。

藤野 英人(ふじの・ひでと)氏
藤野 英人(ふじの・ひでと)氏
レオス・キャピタルワークス代表取締役社長。1966年生まれ。野村投資顧問、ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントなどを経て、2003年レオス・キャピタルワークス設立、同社CIO(最高投資責任者)に就任(写真:レオス・キャピタルワークス)
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 そんななか、私の「妖怪アンテナ」が立った。「これはやばい」と感じたのです。

 2月13日、千葉県に住む若者が感染したというニュースがありました。若者は満員電車に乗って、東京都内に通っていたというのです。これを知ったとき、感染が日本でも広がり、中国・武漢のロックダウン(都市封鎖)のような事態が起こるという予感がしました。同時に、世界でも新型コロナの流行は止められないとも思いました。

 そこで、我々が運用する「ひふみ投信マザーファンド」の現金比率を上げることを決断。13日夜に当社のトレーダーに「明日から現金が要る」と指示を出し、14日から行動を開始しました。

 このファンドは現金比率を最大50%まで上げられるよう設計しています。できれば40%、少なくとも30%まで現金を作ろうと考え、1日に200億~500億円分の株を売り続けました。このときは、流動性の高い大型株を中心に、売れるものは何でも売るというスタンスで臨みました。

 そして、現金比率が31%に達した2月20日ごろ、米国市場で暴落が始まったのです。