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今求められる新型コロナへの対応とは

 今回の新型コロナウイルスは、毒性はさほど強くない一方、感染力が強いという特徴があります。こうした性質を踏まえれば、ただ感染を恐れて自粛しているだけでは問題の解決になりません。普通の風邪であっても、体が弱っていたり疾患があったりする人は重症化し死亡するリスクがあります。一方、多くの方は軽症か無症状のまま回復することも分かっています。また仮に重症化した場合であっても適切な処置ができれば治る可能性は高いのです。この事実をきちんと踏まえた上で、今何をすべきかを考える必要があると思います。

 現在の新型コロナウイルス対策は、できるだけ外出を自粛してクラスターの発生を抑えることで感染を封じ込めようというものですが、感染力の強さを考えれば、感染爆発を抑えることができても、終息させるにはかなり長い期間を要する可能性があります。

 また、報道では感染の恐ろしさばかりが強調されるため、仮に感染が疑われても周りからの非難を恐れて検査を受けなかったり、隠してしまったりするケースも少なくありません。地域の医療機関もコロナ患者がいつ来るのかと戦々恐々としています。今では感染者や医療関係者に対する差別的な対応まで見られる状況になっています。

 ある程度感染が進んだ段階では、感染者を増やさないことも大切ですが、感染者をいかに早く回復させ社会活動を担ってもらうかという視点も重要です。一般的には、感染症に罹患(りかん)後回復した人は、感染症に対する抗体を持つと考えられます。つまり、再び感染しないか感染しても重症化し難いなど、ワクチン接種と同じ効果が期待されます。

 現在感染から回復した人についてはほとんど報道されませんが、既に1000人近くの方々がそうした状態にあります。個人的には、回復した方々に社会を動かす重要な役割を担っていただくという考え方があっても良いと思うのです。一定期間であっても新型コロナウイルスに対する免疫力があるのであれば、検査のサポートや感染者の身の回りの世話、食事の配膳などを手伝ってもらえると大変助かります。

 今般、東京都を中心に軽症者や無症状の方にホテルに滞在してもらうことを始めました。これは良い取り組みだと思います。自宅療養では家族が感染するリスクが高まるだけでなく、食料など生活必需品を購入するために外出することになります。特に、無症状者をいち早くホテルに移すことで、感染の広がりを抑えると同時に、ICT(情報通信技術)を使って効率的に感染者の体調管理を行い、早期に回復させる環境を提供することができます。

 具体的には、毎日の体温を遠隔でモニタリングし、ネットを通じて体調を把握できれば、医師がホテルに常駐する必要はありません。体調が変化した段階で感染対応した車で病院に運べば良いのです。軽症者についても同じような仕組みで対応すれば、医療機関は重症患者だけにリソースを集中することができ、一般の救急患者にも対応することができます。