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地方でも有効

 こうした取り組みは、地方でも有効です。例えば観光客が来なくなって経営に苦しむ温泉旅館を借り切って無症状者や軽症者の滞在施設にするのです。感染が確認されれば直ちに温泉旅館に行き約2週間ゆっくりお風呂につかって、おいしいものを食べて、ストレスを発散して早く治してもらいます。ウイルスチェックが陰性で抗体ができたことが確認できたら、その後2週間は、医療機関や保健所で検査の手伝いをしたり、引き続き旅館にスタッフとして滞在し配膳や掃除の仕事を担ってもらったりするのです。彼らは感染のリスクが低いため、比較的軽微な対応でこうした活動ができることになるのです。

 無症状者や軽症者を受け入れる施設がある地元の食堂やレストランには、入居者に対して交代で食事を供給してもらいます。国や自治体が行う経済支援も単にお金を給付するだけでなく、経済活動と感染予防を連動させることを考えるべきです。こうした取り組みを進めることで、「感染は悪」といったイメージを払拭するとともに、医療機関においても感染者への対応をいたずらに恐れる必要がなくなります。感染者の受け入れ先が十分確保できていれば、安心して検査を行うことができます。

 その上で重症患者に対する医療体制を整えるために、徹底してリソースを投入するのです。人工呼吸器を擁する新型コロナウイルス用ICU(集中治療室)の増設や人員の確保、これに携わる医療関係者への手厚い報酬の提供や家族のサポートも重要です。さらにいえば、新型コロナウイルスに感染後、回復した医療関係者は極めて貴重な存在になります。自身が感染する恐怖から解放された状態にある医療関係者は最強のプレーヤーになるのです。

 日本社会に必要なのは、経済活動を維持しながら効率的に感染者を回復させる仕組みを構築することで、新型コロナウイルス対応の出口を示すことです。これまでのようにただ自粛を求めるだけでは経済が崩壊してしまいます。新型コロナウイルスのワクチンが本格的に実用化されるまでには1年近くが必要です。それまでの間、「感染予防」と「治療」と「経済活動」をいかに3者並立させるか、我々の知恵が試されていると思います(談)。