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 アフターコロナの鍵を握るのはクラウドだと思います。世界中の企業がコロナ以前よりも速いスピードでAIを含むクラウド技術を活用したDXを遂げるでしょう。アリババは4月20日、次世代データセンターなどのクラウドインフラに今後3年間で2000億元(約3兆円)を投じると発表しています。

 現状では、多くの病院のシステムが先進的な技術を使っているとは言えません。しかしクラウドを使えばAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)連携で他のソフトウエアを簡単に組み込めます。APIの活用で、日本の複数の病院がアリババのCT画像解析ソリューションをすぐに導入できたのです。

次の危機に備えた技術開発

 変化に対応しやすく安全なクラウドシステムを導入することによって病院は最も先進的でグローバルなAI技術を素早く導入できます。それが次の似たようなヘルスケアの危機に備えることにもなります。

 我々は次の感染症の危機に備えて以下のような技術を開発しています。まず、薬やワクチンの開発において重要な「タンパク質立体構造解析」です。既に形が判明しているタンパク質のアミノ酸のつながり方をAIに学習させて、新しいタンパク質の形を予測するというものです。

 「流行予測」の技術も開発しています。現在、ビッグデータを用いて感染症流行のシミュレーションをしていますが、年齢や住所、勤め先などのデータを分析対象に加えることで、ある業種、例えば飲食店が休業したらどの程度感染を抑えられるかなどを詳細に予測でき、対策に役立てることができます。プライバシーに配慮し、これらを個人にひも付けるのではなく人口分布に合わせて統計処理します。

 「流行予防」のソリューションも開発中です。AIを使って個人が感染症を防ぐための知識をスマホなどに共有します。IoT(インターネット・オブ・シングズ)のセンサー技術も活用して個人の体調変化を予測し、仕事を休むべきか、病院に行くべきかの判断を助けます。

 感染症を乗り越えるには国境を越えた協力が欠かせません。アリババの創業者ジャック・マー氏の基金などは「グローバル・メディエクスチェンジ・フォー・ファイティングCOVID-19(GMCC)」を立ち上げました。4月20日時点で約120の国と地域から新型コロナの臨床経験を持つ医療関係者や専門家3000人ほどがビデオ会議やグループチャットでノウハウを共有しています。

 我々は科学に国境はないと信じています。人々や企業が潜在力を発揮して現実の困難を解消することを手伝ったり、DXを遂げるためのサービスを提供したりすることに集中するのが私たちの責務です。 (談)