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新型コロナにイデオロギーは関係ない

 もう1つ指摘したいのは、新型コロナにイデオロギーは関係ないという点です。

 今のような、市民にとって訳が分からない時に何を頼りにすればいいかというと、専門家のアドバイスしかないんですね。政府を信頼するかしないかにかかわらず、専門家の意見を尊重すべきでしょう。

 今の政府に賛同する人、しない人がいたとします。例えば政府が憲法改正を発議し、専門家会議を招集するとしましょう。賛同しない人の立場からすれば、招集された専門家を眉唾だと思うかもしれません。なぜなら政府のイデオロギーがはっきりしているから。憲法を改正したい彼らが選ぶ専門家を疑うのは当然でしょう。

 でも、新型コロナは違う。イデオロギーなんて関係ないんです。右でも左でもパンデミックを防ぐための最高の専門家を招集すると思いませんか。目的は感染拡大を防ぐという1点しかないんですから。

 今、大切なのは、問題の本質を理解することです。知識は力であり、正しい知識を共有することが今ほど大事な時期はないんじゃないですか。

各国の対応には差が表れているように思えます。

 先進国で比較的うまくいっているとされているのがドイツです。日本で最初に緊急事態宣言が出た7都府県では、東京の政策が評価されているようです。国家と自治体という違いはありますが、ドイツと東京の共通点は何だと思いますか?

リーダーが女性だということでしょうか?

 それもありますが、僕が指摘したいのは、ドイツも東京も財政黒字だということです。考えたら当たり前のことですが、思い切った対策をしようと思ったらお金がないとどうしようもない。プライマリーバランスを考え、しっかりとした財政構造を持っていれば、いざというときに臨機応変な対応ができる。

 ローマ帝国でカサエルと同時代人だったキケロはこんな名言を残しています。「戦争は金だ」と。今は新型コロナとの戦争なんです。