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今、入山さんが注目しているサービスは?

 たくさんあります。1つは、なんと言ってもビデオ会議サービスである「Zoom」やマイクロソフトのチャットツール「Teams」などのサービスですね。これらにフェイスブックなどが加わって、一気に新しいコミュニケーションプラットフォームになるのはほぼ間違いない。

 だとすれば気になるのは、そのプラットフォーム上でどんな付随的なサービスが生まれていくか、という点です。例えばもうZoom上で接待する「ズームキャバクラ」なんていう試みさえ生まれているようです(笑)。いろんなアイデアやビジネスが出てくるはずで、注目しています。

 加えて、興味があるのがアバターのビジネスです。僕はオンラインとリアルの関係を、「リアル&リアル」「バーチャル&リアル」「バーチャル&バーチャル」に分けて整理しています。リアル&リアルは、リアルな人間同士が会うこと。バーチャル&リアルは、Zoomのように、リアルな人間同士がバーチャル上で会うこと。最後に、バーチャル&バーチャルは、バーチャルな存在同士がバーチャル上で会うことで、これがアバターです。

 このバーチャル&バーチャルのサービスは既に爆発的に伸びる兆しがあります。その典型が任天堂のゲームソフト「あつまれ どうぶつの森」の爆発的なヒットなんだと思っています。「Fortnite」もそうですね。

 以前、「セカンドライフ」が一時的にはやりましたが、これだけ「あつ森」がはやっていることを考えると、もう一度、セカンドライフ的なサービスが勃興してもおかしくない。複数のバーチャル世界が同時に成立して、例えばそこに仮想通貨を入れたら、現実とは異なる経済圏が誕生する。こういう世界が訪れる可能性は十分にあると思います。

 もう1つは、都市の在り方がどう変わるかについて非常に興味を持っています。(ヤフーの)安宅和人さんが「開疎化」というキーワードをおっしゃっていて、ウイルスによって「密」から「疎」、「閉」から「開」という流れは、あるとしたらとても興味深い。

 私はこの開疎化の考え方にすごく共感するのですが、ただ一方で、人間は社会的な生き物でもあるので、どこかで集積して群れないと生きていけないことも事実だと思っています。特に先ほどから述べているような、「腹落ち・共感」が興味深いポイントですよね。腹落ちや共感は当然「リアル&リアル」な関係の方がやりやすいわけですが、これがデジタル上でどこまで代替できるか。デジタルで十分にできないなら、少なくともビジネスにおいて「リアルに集まることの効果」も当面残る可能性がある。