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 東京ガスは新型コロナウイルスの感染拡大を受け、2020年4月から在宅勤務が難しい一部の部署を除くすべての社員がテレワークに入った。対象は約5700人で、これまでにない規模だったため「VPN(仮想私設網)接続数などいくつか課題が生じた」(東京ガス人事部人事勤労グループの正木真美氏)。急なシステム増強が難しい中、人事部門やシステム部門は細やかな運用で立ち向かった。

5700人がテレワークに移行した東京ガスのオフィス(出所:東京ガス)
5700人がテレワークに移行した東京ガスのオフィス(出所:東京ガス)
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 東京ガスも多くの企業と同じく、将来的なテレワークに備えて準備を整えていた。例えば2019年度には業務用パソコンをWindows 10への更新に合わせて、軽量なノートパソコンに変更していた。内線電話もスマートフォンに移行しており、「スマホのテザリングでVPN接続できるようになっていた」(正木氏)。テレワークに欠かせないビデオ会議システムは、2019年10~11月に米マイクロソフト(Microsoft)のTeamsを導入していた。VPNの使い方やTeamsの使い方のマニュアルも配布済みであり、支障なくテレワークを始められる態勢は整っていた。

 徐々にテレワークに移行する社員が増えてきたのは2020年3月に入ったころで、その人数はVPNへの接続数で1000人ほど。回線容量やVPNの接続数が限界に近づき、時間帯によってはVPNにつながらない社員も出ていた。急な回線容量やVPN接続数の増強も難しいが、業務に支障を来してもいけない。正木氏らが判断したのは、運用で混雑を避けることだった。

 まず2020年3月12日に、VPNを常時つながないと業務ができない社員と、自分のパソコン上で業務ができる社員がいるのを説明した上で、必要なとき以外はVPNの接続を切るようにルール化した。ここで東京ガスが巧みなのは、混雑回避のための「規制」と同時に「緩和」も行ったことだ。